2021年11月30日(火)

どうなるコロナ後の世界  –オンライン販売店座談会Part.1–

各地域のコロナの影響は?

 新型コロナウイルスの影響で機械工具業界も変わるのだろうか。そんな憶測が出てくる頃だが、機械工具販売店が強みとする「対面営業」に変わりはない。ただ、従来通りの対面営業かといえば、そうではない。今後、日本は人手不足で国内需要の低下や将来の担い手である人材確保が難しくなる。それは営業の担い手も少なるということ。そうしたことも踏まえ、座談会で有力販売店4社のトップに対面営業の強化で必要なこと、すべきことについて聞いた。

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各地域の現状についてお聞きします。コロナウイルスの影響も含め、状況はどうでしょう。

河邊 高松市内は東京や大阪に比べ、新型コロナウイルスへの対応に温度差があったと感じます。当社の対応は、全社員が平時から公共交通機関を利用していないので、この点は安心でしたが、毎朝の検温やマスク着用、手洗い・消毒の徹底に努めました。売上は5月、6月は平年と変わらない状況でしたが、ユーザーから2割ダウンするとの話も出ているので、今後、じわりじわり影響が出そうな気がします。

訪問しにくいなど影響はないですか。

河邊 コロナが騒がれ始めた3月は全体的に訪問の自粛を行いました。今も大手のユーザーほど訪問の自粛が厳しいため、営業スタイルは多少変更しておりますが、中小のユーザーは普段と変わらなかったので、配達も兼ねている営業担当は通常通りに戻っています。

ただ、社員が社内にいる時間は伸びましたね。当社はユーザーとの取引にフェイス&ネットの見積もり注文システム「USAGI」を活用しています。これはウェブカタログで商品を探し、見積もり依頼と注文ができるシステムで、ここ数カ月は利用するユーザーも多く、社内で処理する時間や電話対応が増えました。

杉本 当社の営業部門は4月からテレワークを導入するなど勤務形態を変更しました。内勤は会社へ出勤しましたが、外勤は自宅からユーザーへ直行直帰にしています。また、通勤も半数が公共交通機関を利用していたので、自家用車か社用車での通勤に切り替えました。それができない場合は自宅勤務で対応しています。社内も空いている会議室を利用して三密を避けるなど社員間のソーシャルディスタンスを取る対策を講じました。

ユーザーへの訪問はどうでしょう。

杉本 ユーザーの中にも感染者が出て、接触があった社員は自宅待機することもありました。感染拡大当初は納品のみでしたが、6月以降は通常営業ができるようになってきています。ただ、大手ユーザーの中には納品もできず、宅配で商品を送るところもあります。

愛知県下はどうでしょう。

野田 愛知県は独自の緊急事態宣言の発令後、感染者も少なく日常生活は通常に戻りつつあります。ただ、感染者が出た企業もあり、まだまだ危険意識は強く、市場にも大きな影響が出ており、自動車産業も含め、週休3~4日のユーザーもあります。また、面会禁止や訪問人数の制限が出ているため、メーカー同行も難しく、営業が現場に入れないといった難しい状況が続いています。

打ち合わせはしにくいですか。

野田 緊急の場合があるのでマスク着用で現場に行くことはありますが、時間制限があったりするので、事前にメールで提案して、現場では最小限の時間で商談するように工夫しています。

オンラインの活用は。

野田 ユーザーによってZoom活用もありますが、基本は対面営業の要望が多く、訪問自粛でスムーズな商談にはつながっていません。

関東圏はどうでしょうか。感染の影響もあったと思われますが。

 当社は埼玉県に事務所を構えていますが、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の4知事の意向で、コロナ対応は首都圏一体で足並みを揃える動きになったため、他府県のユーザーからは埼玉も東京と同様に見られて訪問できない状況です。東京都と埼玉県では感染者数に大きな違いがありますが、県外移動が可能になった現在でも厳しく訪問を制限している大手ユーザーもあります。一方、2次、3次の下請け企業はコロナ前と同じく通常営業ができるようになりました。ただ、東京都内は時短営業、交代で休暇取得、訪問は納品のみが続いており、PR活動は極力控え、宅配便で直送するケースもあると聞きます。

ウェブ会議の活用は。

 Zoomを利用できる環境にして、ユーザーに打診も行っていますが、現状、電話とメールでのやり取りがほとんどです。ユーザーの中にはオンライン環境が整っていない企業もあるため、電話とメールで対応する場合が多いですね。

コロナウイルスによって営業や業務体制に変化はありましたか。

杉本 テレワーク導入は社員への感染防止策として実施しました。その間、営業は電話やFAX、見積もり作成など行っていましたが、現状の仕事量は従来に比べ減っています。ただ、コロナウイルスで営業スタイルが変化するかと問われると、私はそうではないと思います。販売店の強みは対面営業で、オンライン会議などによる商談は難しいと思います。オンライン会議は視覚や聴覚による情報しかなく、ユーザーとの一体感や信頼感を得ることは難しいでしょう。そのため、対面での最適な提案営業が我々の本筋であると考えています。

対面営業の強化ですね。野田社長はどうでしょう。

野田 対面営業がこれまで機械工具販売店の強みでしたが、コロナウイルスで試されている部分はあると思います。例えば、当社は今回を機にメルマガ配信を始めました。従来とは異なり、ウェブを活用した違う形でのアプローチが必要と感じていて、実際に注文も様々な方面から頂いています。ただ、動画での商品説明やインスタといったSNS活用はあくまでプラスアルファの補助的な要素で、対面営業は絶対必要なものだと思います。

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日本産機新聞 2020年7月20日

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