2026年11月5日(木)

裾野の広がり、多様な視点【現場考】

ギアチェンジは必要

日本能率協会の2023年の調査によると「管理職を目指したくない」と答えた一般社員の比率は77・3%で、5年前と比べ、5%も上昇したという。一般社員から見ると管理職が「魅力的ではない」と映るようだ。

「目指したくない」理由は何か。調査でも、業務負担の大きさを挙げる声は多い。機械工具商の管理職もプレイングマネージャーであることが多く、常に忙しい。

ユーザーからの問い合わせ対応や提案活動、新規開拓などの業務に加えて、部下の育成や数字の管理—。ある工具販売店の課長は「現場に行きたいが、時間がない」と嘆く。こうした悩みを持つ管理職は本当に多い。

一方で、「管理職が楽しい」というポジティブ派もいる。「今の仕事が楽しい」と話す、課長2人に話を聞いた。

1人目は営業部内で課長に昇進した人。「課長になることで視野が広がった」と言う。営業担当時代は「お客様に満足してもらうこと」が最優先で、上司とぶつかっていたそう。「課長になり、全体を見る必要に迫られた。最初は悩んだが、ある時、役割が違うんだと認識した。今は全体の数字を引き上げる方策を考えることが楽しい」と話す。

営業から総務を担当することになった別の課長。最初は気が進まなかったが、学ぼうと意識を変え、後輩に教えを請い、業務を観察した。気づいたのは「総務が会社の屋台骨を支えているということ」。「一般社員で着任していたら、気づけなかったと思う。課長として仕事を俯瞰できたから、新たな視点を得ることができた」。

2人とも最初は悩んだそうだが、楽しいと思えるようになったのは「仕事が変わった」と自覚したことだという。管理職になるということは、部署はどうあれ、役割が変わるということ。仕事の楽しさは千差万別だが、楽しさを発見するには、意識を変える「ギアチェンジ」が必要なようだ。

日本産機新聞 2025年6月20日号

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