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目的と意味を伝えて納得のコミュニケーションを【現場考】
学生時代の部活動などで理不尽な思いを抱いた人は少なくないだろう。前時代的だが、自身の経験でも「延々と走れ」とか「全員が目標をクリアできなかったからやり直し」など「なぜ?」と思うことは少なからずあった。そして大抵の場合、その怒りの矛先は無茶な指示を出したコーチや目標をクリアできなかった人に向かう。
最近、課長になったばかりの方から「部下や後輩が指示通りに動いてくれない」と悩んでいると聞いた。最近では「会議の議事録を作って」と依頼したところ、満足のいくものが出てこなかったという。自身の頭の中には理想があるから「なぜできないのか」と部下を攻めてしまうという。
この2つの事象の根底には同じ問題がある。それは「本質的なコミュニケーションの欠如」だ。学生時代に連帯責任を取らされた際「仲間を助け合う意識を醸成するためで、それがチーム力の底上げにつながるからだ」と言われていれば工夫できたことはあっただろう。延々と走らされた際も「下半身を鍛えることは、球速を上げるために必要だ」と言われていれば意識は変わったはずだ。
先の課長の指示もそれによく似ている。出した指示は「議事録を作って欲しい」ということだけ。それだけでは面倒な業務なだけにやらされ感は否めない。「延々と走れ」といった指導者と同じだ。「議事録は部内の意見を整理し、意思統一を徹底するため。そして、忘れた人を助けるために役立っている」と言われていれば、取り組む意識も変わるだろう。
コミュニケーションは日々の単なるやり取りではない。組織に参画する人に納得して行動してもらうためだ。そして、単なる指示だけでは人は納得して動かない。話を聞いたうえで「その業務の目的は何か」、「それをすることで何につながるのか」、「誰のためになっているか」を伝えることが重要だ。
日本産機新聞2026年5月20日号
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