2026年10月11日(日)

頭脳・手・目の性能が進歩 ロボットテクノロジージャパン2026を振り返る

産業用ロボットの最新技術が披露されたロボットテクノロジージャパン2026。注目が集まったのは指示や決まりに頼らず自ら状況を判断して動く自律型ロボット。その進化を支えるのは頭脳や手、目の役割を担う人工知能(AI)やハンド、カメラの性能の進歩だ。

ロボットテクノロジージャパン2026(主催:ニュースダイジェスト社)は、今年国内最大規模の産業用ロボットや自動化システムの展示会。過去最大の272社が出展(愛知県国際展示場)し、6月11〜13日の3日間で約4万7000人が来場した。

最も注目されたのはフィジカルAIを搭載したロボット。安川電機はその最先端技術を展示した。シミュレーター「YASKAWA CellSimulator」を活用することでロボットの動きを自動生成することができる。

長尺の金属部品を緩衝材で包み、段ボールに梱包する双腕AIロボット(安川電機)

双腕AIロボット「MOTOMAN NEXT‐NHC10DE」は長尺の金属部品を緩衝材で包み、段ボールに梱包する作業を実演。AI協働ロボット「MOTOMANNEXT」は部品を互いに押し込むなど微妙な力加減が必要な椅子の組み立て作業を披露した。

FingerVisionが出展したのは、視触覚センサ搭載のロボットハンドを活用したAI模倣学習システム。カメラがハンドの指先の動きや変形を画像処理することで視覚と触覚を数値化する。テレオペレーションでその動きをAIに学ばせ、再現できる。

熟練技術者の力加減や手の動かし方、作業手順などを再現できる(FingerVision)

従来のティーチングによるプログラミングが不要で、視触覚センサなどによるデータでロボットが動き、熟練技術者の力加減や手の動かし方、作業手順などを再現できる。柔らかく細いケーブルを治具から治具へ移動させる実演で、その特長を披露した。

Mech‐Mindは2D・3DカメラとAIによるピッキングを実演した。2Dカメラでワークの形状やキズを確認し、3Dカメラで配置や傾きを認識し、つかんで運ぶ。AIで自動学習し、ピッキングを繰り返すほど作業品質が上がる。

2Dカメラでワークの形状を、3Dカメラで配置を認識し、つかんで運ぶ(Mech-Mind)

バラ積みのピッキングに有効で、ティーチングでロボットに動作を指示しにくい変種変量の部品生産にも対応できる。自動車や産業機械などの部品をはじめ、形が全て一定ではない食品のピッキングでここ数年、需要が増えているという。

AMR+ロボで搬送自動化

開催地が愛知とあって来場者の多くが自動車産業に関わる企業の経営者や技術者。それを想定したうえでAMR(自律搬送車)との連携技術や自社工場での活用技術の展示もあった。

溶接や協働ロボットに加えAMRを手掛けるダイヘンは、ロボットとAMRを組み合わせた工場内搬送の自動化を提案した。可搬重量1000㎏のAMRと協働ロボットで部品の搬入から仕分け、行程間搬送、発送までの一連の自動化システムを展示した。

AMRと協働ロボットで部品の搬入から仕分け、発送までの一連の自動化を実演(ダイヘン)

デンソーウェーブは自社工場で実用しているロボットの活用技術を展示した。電子基板の組立工程で活用するロボットは電子部品のリールを実装機に自動で供給。リールをピッキングして実装機に貼付したQRコードを読み取り実装機との位置を認識し正確に供給する。

電子部品のリールを実装機に自動で供給(デンソーウェーブ)

日本産機新聞2026年7月5日号

[ ロボット ][ 展示会 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

日進・尾野 功騎社長「難削材といえば日進」を広めたい【この人に聞く2026】

日進・尾野 功騎社長「難削材といえば日進」を広めたい【この人に聞く2026】

切削工具メーカーの日進(堺市堺区、072・221・8081)は、難削材に特化した製品開発に取り組んでいる。「NISSIN FALCON ENDMILL」を武器にニッチな分野を切り拓く同社の尾野功騎社長に、自社の強みや描く […]

正しい問いを考える【現場考】

AIが日常生活だけでなく、ビジネスの現場でも使われるようになり、アイデア出しの「壁打ち」に使う人は多いだろう。その回答の精度や量は驚くほどだ。例えば「この条件で10個のアイデアを考えて」と指示すれば簡単に10個出てくる。 […]

特集 メーカートップインタビュー 各社に聞く、今年最も力を入れる事とは

AIの普及に伴うデータセンター需要の拡大に加え、航空機、防衛、造船など幅広い分野で追い風が吹く国内の製造業。一方、イラン情勢を背景とした原油価格や原材料の高騰、供給不安など、経営環境には不透明感も漂う。変化の波をどう捉え […]

記事ジャンル

関連サイト