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日研工作所 長濱 明治社長「“ナノ”と“黒”で工場を変える」【特集:メーカートップインタビュー】
自動化・無人化に新アプローチ

今年、注力することは。
最適な「削り」をご提案するだけでなく、社会課題となっている製造現場の人手不足に対し、独自の提案で解決のお手伝いをしたい。人手不足を補う自動化・無人加工の提案に加え、働く人にやさしい工場環境の改善にも提案を広げていく。
工場環境の改善とは。
切削において、主流となっている水溶性クーラントの劣化と悪臭を抑えることができるナノレベル(粒子径が1μm以下)の粒子の活用を機械加工に取り込むという画期的なアイデアが元になっている。らせん構造を持つコアをホルダに内蔵させ、センタークーラントを通すと、1ml当たり1億4500万個のナノレベルの粒子を発生させ。この粒子は、嫌気性バクテリアの増殖を抑制し、工場全体の臭気など環境改善を進めることが期待できる。当社の研磨工場では、嫌な臭いは消え、クーラントの交換時期を5倍に伸ばすことができた。既に大手自動車メーカーをはじめ多数のユーザーから引合いを頂いている。
マシニングセンタ以外の研磨機等で、水溶性クーラントを使用する工場であれば活用できるよう、機械の配管等に接続するソケットタイプも販売する。既存の機械設備でも装着可能だ。価格帯も魅力のひとつ。工場全体の環境を改善する「ナノクーラント・システム」として広く提案したい。
自動化にも貢献。
水溶性クーラントを使用する機械加工での課題は、ツーリングの防錆対策だ。ロボット等を活用し、工作機械の長時間無人運転が可能でも、ホルダが錆びれば、自動化どころか高精度の機械加工自体が実現しない。当社は、「黒錆により赤錆を制する」という考え方で生み出された「黒のホルダ」を用意している。人手不足の中での工場環境の改善という観点から、ナノクーラント・システムと黒のホルダの使用を同時に推奨したい。今後も日研独自の視点から提案を続けていきたい。
日本産機新聞2025年8月20日号
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