2026年8月27日(木)

「誰もが避ける道究める」樹脂加工・シティプラスチックの取り組み【特集:成長する脆性材・樹脂・ゴム加工】

大きさ、材質、量…全方位

半導体製造装置などの精密プラスチック部品を手掛けるシティプラスチックは今年3月、本社に6つ目の工場を新設した。これからも新棟を増やしていく計画で、これらの工場で約330台の工作機械をメーカー別に再配置していくという。

その目的は生産効率のさらなる改善。様々なメーカーの工作機械が混在するとオペレーターは操作方法の異なるNC装置に対応しなければならない。工場ごとにメーカーを統一すれば1人が数台をオペレーションしやすく、生産性が上がる。

同社の強みは半導体製造装置メーカーなどが求める大きさや材質、量、品質を全方位で応えられること。多種多様な5軸加工機や複合加工機、門型MCはその源であり、生産効率を高めるためにはその環境を再構築する必要があった。

約330台の多種多様な工作機械であらゆる部品を加工する
門型マシニングセンタ(島根工場)

とはいえ工場新設の多くは生産力の強化や研究開発のためにするもので、生産設備の再配置のためにするものは少ない。荒木隆司社長のその独特なアイデアは、「誰もが避ける道を追求するために生まれたもの」と荒木優統括本部長は話す。

その原点は初めて勤めたプラスチック加工会社。産業機械などの部品を手掛け、毎日残業し休みも少ない。しかし事業は伸びず働く条件も良くならない。「誰もができる仕事をするから付加価値が低い。誰もが避ける仕事を」と考えた。

1991年に創業。まず営業に力を入れた。機械や装置メーカーに自ら訪問しチラシを配った。機械や工具の商社に協力を求め、売り込んでもらった。当時、加工会社が営業を積極的にすることは少なかった。誰もがしない営業は着実に実っていった。

そして、できる限り難度の高い仕事を受けた。アクリルや塩ビの簡単な仕事は断った。自動車や精密機械の部品を加工するようになり、要望に応えるため工作機械を増やした。手狭になってきたため新たに土地(現本社)を購入し、2年に一度工場を新設していった。

2年に一度工場を新設してきた

そうするうちに増えたのが半導体製造装置の部品だった。高温や薬品に強いスーパーエンプラと呼ばれる素材で、硬度が高く熱伝導率が低いため加工しにくい。求められる精度は高く、形状は複雑、大きさは2mにおよぶものもある。そして需要が大きく変動する。

そうした要求に応えるため、加工技術を研究し続け、社内で工具も開発した。加工にとどまらず、材料の切断や熱処理、溶接組み立ても手掛け、一貫生産した。さらに150種類におよぶ材料の殆どを数カ月分在庫し変動する需要に対応した。

半導体製造装置部品を模したワーク

荒木社長は、「次々と新たに登場する新素材の加工を実現する技術力。シリコンサイクルの急激な需要の波への対応力。創業35年の歴史による信頼。この総合力が強み」。創業時は小さな加工会社だったが今や本社、島根、熊本、タイに工場があり社員は300人になった。

事業成長のため次のステップで必要と感じているのが各セクションを任せるマネージャーの育成だ。荒木統括本部長は、「工場も社員も事業領域も大きくなり続けている。それを支えるマネージャーを育てる。そして次代につなぐ組織をつくっていきたい」。

荒木優 統括本部長

会社概要

電  話:082・810・6677

代表者:荒木隆司社長

設  立:1991年

従業員:300人

本  社:広島市安佐北区白木町三田1444

事業内容:半導体製造装置や産業機械の精密プラスチック部品の加工・溶接組み立て、プラスチック素材販売。

日本産機新聞2026年7月5日号

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