製造現場では人手不足や高齢化に加え、労働安全意識の高まりを背景に、安全対策への関心が一段と高まっている。転倒事故を防ぐ滑り止め技術や立ち仕事の疲労を軽減する技術など、メーカー各社は独自の発想で現場の安全性と作業環境改善に […]
京セラ 機械工具事業本部・後藤田 祥二副本部長「超硬の回収・再資源化に注力」【特集:メーカートップインタビュー】
センシングで工具に新たな価値を

–前期を振り返ると。
低迷していた自動車市場が関税問題の改善を背景に回復し、下期には半導体や航空機、防衛関連向け需要も大きく伸びた。海外は米国で航空機、防衛など設備投資が活発だ。一方、中国のタングステン供給問題による原材料価格の高騰が利益の圧迫要因だ。
–今年度の重点施策は。
最優先課題は原材料の安定確保と製品の安定供給。現時点で供給に必要な原料は確保できているものの、ヨーロッパなど調達先の多様化を進めている。同時に、超硬スクラップを回収・再資源化するリサイクルにも注力したい。販売店による回収促進や買い取り制度の充実により、資源循環と安定供給の両立を図る。リサイクル材による工具の製造比率も2028年に向けて引き上げる方向で調整している。
–新製品やサービスは。
昨年開始したセンシングソリューション「VIMOA」のレンタルサービスは大手自動車部品メーカーで高い評価を得た。これを受け、今年5月に専用センシングツールと加工監視AIを組み合わせた「AIモニタリングプラン」の販売を始めた。デバイスもバッテリー性能や防塵・防水性能を高め、量産ラインでの活用や不具合発生時に「いつ、どこで、どの工具に異常があったか」を遡って特定できるトレースバック機能をもとに、工具活用の最大化と品質安定化をサポートする。
耐摩耗性と耐欠損性を両立した旋削用材種「ハイブリッドサーメット」が超硬工具の代替で再評価され、来年は更に性能を高めた新しいサーメット材種も投入予定だ。
–今後の市場展望は。
AI関連投資の拡大を背景に水冷モジュール関連の引き合いが好調だ。今後も様々な市場で工具に対する要求水準が一段と高まる。当社は高性能工具に加え、センシングなど新しいサービスを組み合わせた提案力で顧客の課題解決に努めたい。
日本産機新聞2026年8月20日号
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