2026年6月7日(日)

マーポス 画像解析式ツールセッター「VTS」で工具の状態をもっと見える化

繰り返し精度0・2μmで測定

精密金型の加工では、サブミクロン単位の寸法精度が求められる。切削工具の摩耗や刃先状態のわずかな変化が品質に直結するため、工具状態の正確な把握は欠かせない。また近年は、半導体や光学部品、医療機器に使われる石英ガラスやセラミックスといった脆性材料への加工需要も高まり、微細・精密加工における工具管理の重要性はいっそうと増している。

こうした中、マーポス(東京都大田区、03・3772・7011)は、画像解析式ツールセッター「VTSシリーズ」の提案を強化している。同製品は、CCDカメラによる画像解析で、繰り返し精度0・2μmでの測定を実現。最小解像度0・1μmで撮影した画像から、工具の先端位置・長さ・径・振れを自動で測定し、補正する。光を投影して反転させた影の画像から加工前後の刃先輪郭を比較し、摩耗や欠けなど損耗状態をモニタリングできるのも特長だ。解析した画像データは保存して工具状態の変化履歴の管理もできる。

ソリッド工具に加え、インサートタイプやフライスカッターなど複数刃の工具にも対応。各刃を1枚ずつ測定し、システムへの事前登録なしで工具形状を自動認識するため、段取り時間の短縮にも寄与する。   

新品工具での摩耗検査(初期状態)
摩耗工具での摩耗検査

機械での加工中はカメラ部分をシャッターで保護し、測定時はエアブローで切りくずやクーラントを除去することで精度の狂いを防ぐ。防水・防塵性能はIP67レベルを誇り、過酷な加工環境でも安定した稼働を実現する。

主要CNC装置との互換性も高い。シーメンス、ハイデンハインのほかファナック、オークマ、ヤマザキマザックなど各メーカーに対応し、既存設備への導入も容易だ。

シリーズには3種類をラインアップした。主に小径工具向けの「同SF-45」は、本体サイズがW187㎜×H120㎜×L83㎜の小型設計で、φ40㎜までの工具径に対応。さらに、φ80㎜までに対応の「WF-85」とφ165㎜までの「WF-170」を揃え、微細加工からターニング、5軸加工まで広く現場のニーズに応える。

太田峻輔プロダクトマネージャーは「対応範囲内であれば、どんな形状の工具でも高精度に自動で測定が可能。従来は難しかった研削工具でも、砥石表面の状態を細部まで観察できる。属人的だった工具測定の自動化に貢献する」と話す。

同製品はこの10月に開催された「メカトロテックジャパン2025」(ポートメッセなごや)にも出展され、来場者の注目を集めた。

日本産機新聞2025年11月20日号

[ 切削工具 ][ 工作用機器 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

目的と意味を伝えて納得のコミュニケーションを【現場考】

学生時代の部活動などで理不尽な思いを抱いた人は少なくないだろう。前時代的だが、自身の経験でも「延々と走れ」とか「全員が目標をクリアできなかったからやり直し」など「なぜ?」と思うことは少なからずあった。そして大抵の場合、そ […]

YUASA  田村 博之社長「社名をYUASAに変更」【この人に聞く2026】

YUASA 田村 博之社長「社名をYUASAに変更」【この人に聞く2026】

新中期経営計画を発表、5年後は経常利益200億へ 今年360周年を迎えるユアサ商事は4月1日、社名を「YUASA」に変更した。アルファベットにすることで、海外での認知度を高め、グローバル展開を加速させる。合わせて、5年の […]

象印チェンブロック、鉄道保守の省力化に照準 マテハン技術はここでも活きる

チェーンブロックやホイストを手がける運搬機器メーカーの象印チェンブロック(大阪府大阪狭山市)は、インテックス大阪で5月27日から29日まで開催された「第2回 鉄道技術展・大阪2026」(主催・産経新聞社)に出展し、鉄道メ […]

トピックス

関連サイト