2026年6月27日(土)

オーエスジー「小径深穴を安定連続加工」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

小径超硬ドリル「AD-MICRO」

耐久性・穴径精度を飛躍的に向上

オーエスジーは、小径深穴の長時間連続加工を実現する外部給油タイプの小径超硬ドリル「AD‐MICRO」を昨年7月に発売し、注目を集めている。

製品開発したデザインセンター・内田聖也氏は「耐久性と高精度、そしてラインナップの充実にこだわった」と振り返る。

耐久性向上・高精度を実現するために、独自の切れ刃ホーニングを施し、切れ刃の欠損を抑制。耐摩耗性と耐欠損性を実現した。さらに、シンニングによりスラスト抵抗の低減と切りくず分断性能を高めた。φ2超えのドリルには外周コーナの欠損を防ぐために独自のSEG処理を施した。しかも、ドリル直径許容差は0~マイナス4μm。シャンク精度はh4公差に対応している。内田氏は「この刃形状に辿り着くまでが辛かった。従来の枠の中でトライしても目標の成果が得られず、ブレークスルーのためには思い切った発想が必要だった」と振り返る。「製造部の皆さんにも大変なご協力を頂いた」とも話した。

溝長は4Dと10Dを用意。ドリル径はφ0・5~φ3まで1/100㎜飛びで、各251アイテム、計502アイテムをサイズ展開した。「オーエスジーなら、欲しいドリル径が揃っている」「しかも耐久性抜群」という評価を定着させる狙いだ。

AD-MICROを開発した内田氏(右上)と自動盤加工の様子

電気・電子部品や噴射ノズルなど最新技術では、部品の小型化が進んでおり、小径加工が増えている。従来は小径深穴は放電加工でというイメージだが、加工特性上、穴入口と出口で穴径差が発生するため、設計時にロング穴は避けられていた。「AD‐MICROであれば、安心して深穴を加工できるので、部品設計の幅も広げて頂ける」と内田氏。耐久性は、何と従来の2倍程度を実現。長時間の無人加工・省人化を支援する。耐久性向上・高精度加工には独自の「KeptAコーティング」も一役買っている。優れた表面平滑性と安定した膜厚管理で切りくず排出性も抜群。

モータ周辺部品や電子部品など自動車関連だけでなく、油圧バルブや医療機器などの安定した穴が必要な加工に威力を発揮し、「今後は、ユーザの要望に合わせて、さらにシリーズを拡充していきたい」(内田氏)と意欲的。

日本産機新聞2026年2月5日号

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