2026年9月30日(水)

エヌティーツール「脱着からプリセットまでを完全自動化」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

ここ数年、国内の自動車産業は電気自動車(EV)の需要鈍化やトランプ米政権の関税政策で次の一手が見えづらく、難しい局面が続く。2026年はHV関連を中心に少しずつ回復する予測もあり、自動車産業の設備投資が期待される。ただ、自動車部品を手掛ける中小ユーザーは人手不足が深刻化しており、自動化や省人化、工程集約や工程短縮を実現する新しい加工方法の導入が不可欠だ。本特集では、メーカー各社が自動車産業向けに提案する生産性向上につながる技術を紹介する。

Aegis-iシリーズ「全自動プリセットシステム」

Raptorを核とする全自動プリセットシステム

昨今、自動車や自動車部品メーカーでは生産現場の人手不足や熟練技能者不足で、「人手が必要」「経験が求められる」などの工程に対し、自動化・省人化ニーズが高まっており、メーカー各社は独自の技術で現場の課題解決に取り組んでいる。

ツーリングやプリセッターなどを展開しているエヌティーツールは使用したツーリングの脱着(ホルダと刃物の取り外し工程)、洗浄工程、プリセット工程を完全自動化するシステム提案を強化。営業部の加藤祐也部長は「大手ユーザーから使用した工具の取り外し、洗浄、触れ精度出しなどセッティングを自動化したいという要望から開発に着手した」と語る。そこで非接触式ツールプリセッタAegis‐iシリーズ「Raptor」を中心に、協働ロボットやスカラロボットがホルダや刃具を搬送しながら、IDチップを読み込み(ホルダや刃具を識別)、データ連携しながら脱着、洗浄、プリセットの順に各工程を全自動で行う仕組みを確立。人手不足対応やヒューマンエラーの削減に貢献している。

同社の全自動プリセットシステムの大きな特長はニーズに応じて柔軟にカスタマイズできること。例えば、同社は自社製の脱着機、超音波洗浄機を保有しているものの、ユーザーが保有している他社製品でも完全自動化が可能で、洗浄工程を除き脱着とプリセット工程のみなどニーズに応じ多種多様な組み合わせが可能。「自社製ソフトウェアで柔軟にカスタマイズできるのが当社の強み。ロボットもユーザーの任意で選択でき、打ち合わせでハードからソフトウェアまで完結できる」と加藤部長。識別方法もIDチップやRFIDに対応。現在はコレットチャックやハイドロチャック、ミーリングチャックまで適応範囲を広げ、自動車や航空機産業で導入企業が出始めている。

ニーズに応じてカスタマイズにも柔軟に対応

加藤部長は「今後は要望の多いフェイスミル、ボーリング工具のチップ交換などに適応させたい」と意欲を見せる。大手や中堅企業など量産体制かつツーリング関連を集中管理するユーザーからの引き合いが増えており、大型展示会やYouTubeなど情報発信を強化し新規開拓を狙う。

日本産機新聞2026年2月5日号

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