機械工具販売店が人材採用と育成に力を入れている。人材の確保・定着が課題となる中、採用拠点の開設やSNSを活用した情報発信など各社が独自の施策を展開し、将来の成長につなげる。事業の持続的な発展を見据え、人材戦略を進める販売 […]
コハラ「技術者が10年で6倍に」【特集:機械工具販売店の人材採用・育成戦略】
ユーザーのベテランと若手を採用
営業を強化するのか、技術力を鍛えるのかー。企業の戦略や方針によって必要な人材や育成方法は異なる。コハラは「システムインテグレーター(SIer)機能を持つ」という明確な方針の元、積極的に人材採用や育成を進めている。過去十数年で技術系の人材の採用を6倍に増やした。
「人手不足が加速する中、今後はSIerが重要な役割を担う」。小原照光社長がそう判断したのは2012年。08年に溶接メーカーの中島溶接工業所(現ナカジマテック)を買収していたこともあり、10年以上かけ、ナカジマテックをSIerにすべく、技術者の採用を増やしてきた。

まず考えたのが「どうすれば技術者を採用できるか」ということ。目を付けたのが顧客のベテラン技術者だ。「お客様で定年を迎えた人材がいないか」とユーザーに声をかけ続けた。「ベテランのほうが経験やノウハウが高い」と考えたためだ。
一方、若手人材も必要だ。「技術者がずっと働きたい現場を作らなければ、若い人は来てくれない」との思いから、ナカジマテックの工場を移転・新設した。SNSでの採用も活発化。広範に求人するのではなく、同社が強みとする「充填機・システムエンジニア」などにキーワードを絞り、SNSで発信し、採用を展開してきた。「最近では、兵庫県の若手技術者が入社してくれた」という。
こうした工夫を重ね、買収当時2人だったナカジマテックの技術者は13人となった。今では、ベテランと若手がタッグで案件に取り組むことで、ノウハウの伝承を進めている。今夏にはアイスクリームなど充填から梱包まで自動化できる食品機械の製造を始めたが、ベテランと30代後半の若手2人が中心になって開発したという。
コハラ本体での採用も工夫を凝らす。ナカジマテックの移転と同様に「一生働きたいと思える環境が必要」との考えから、本社を改築中だ。1階に自動化やAMRを中心としたラボを設置。同社には空手部があることから、3階には道場を設ける。この空手部も採用戦略の一環だ。「『空手部』のある企業ということで、大学の空手部からの採用も多い」という。

同社は4年前に創業100周年を迎えた。「当社の理念は『地域産業に貢献する』こと。地域の企業は98%以上が中小企業で人手不足は大きな問題。自動化を支援することで課題を解決し、地域に貢献し続ける」(小原社長)とし、200年企業を目指す。
会社概要
・本 社:静岡県焼津市焼津6-1222
・電 話:054・629・6226
・代表者:小原照光社長
・創 業:1922年
・従業員:61人
・事業内容: 工作機械・工具・産業機器・伝導機器・FAシステムの販売など。
日本産機新聞2026年8月5日号
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