2026年8月9日(日)

淵本鋼機「教育専任担当を配置」【特集:機械工具販売店の人材採用・育成戦略】

尖った人材が活躍する環境づくり」

多くの人を採用しても、活躍できる場が無かったり、仕事に充実感を得られなかったりすると人は定着しない。淵本鋼機の淵本友隆社長は「尖った人材が活躍できる多様性のある環境をつくる」ことで、人材の育成と定着を進めている。その象徴が教育専任担当者を2人も設置していることだ。

一人は57歳の元ベテラン営業担当者。2年前に「個人がいくら活躍しても組織が成長しないと意味がない。教育係に専念したい」と打診を受けた。淵本社長は「一般的にまだ営業として活躍して欲しいと思うかもしれない。けれど、人を育てたいという彼の意思を尊重するとともに、多様性を認める上でも、会社の成長を考える上でもいいと思った」。

その専任担当者は現在、同社独自の研修カリキュラムを作成するほか、「若手が悩んだ際のさまざまな相談」や「同行営業」などを通じ、そのノウハウを伝えている。

教育専任担当の教育風景

もう一人は、メーカーを退職した人材に技術相談アドバイザーとして就いてもらっている。顧客から「最適な加工条件の設定」や「工具選定」など、新人や若手では即答しづらいような専門性の高い質問を貰った際に、アドバイスする。「アドバイスだけでなく、若手にはそのノウハウを学んでもらっている」。

この2人の尖った専門人材の効果について「定量的な計測は難しい。しかし営業の数字が伸びたり、提案が深まったりする人が増えている。会社全体のレベルアップを感じる」と話す。

尖った人材の活用は教育係に限った話ではない。例えば、デジタル技術に長けた人材には、社内の業務効率の改善を担当してもらっている。他にも、メルマガの発信担当者などもいるという。

淵本社長は「成長期の時代はいわゆるバリバリの営業が活躍していたと思う。今はそんな営業一辺倒で収益を考える時代でもない。しかも、本来は新規開拓が得意な人、深い提案が得意な人など、個性は千差万別。最適な仕事で活躍してもらうことが大切」と話す。

淵本 友隆社長

こうした考えに基づく環境づくりは定着率の向上に役立っている。「家庭の事情などやむを得ない理由以外で退職する人はほとんどいない」そうだ。

今後について「我々の目的はお客さまの成長を支援すること。自動化やデジタル対応など、お客様が取り組むべき課題は多い。システムやデジタルなど専門性の高い人材を教育担当として増やし、顧客のさらなる成長を支援したい」と語る。

会社概要
・本 社:新潟県長岡市四郎丸4-7-12
・電 話:0258・35・1313
・代表者:淵本友隆社長
・創 業:1949年
・従業員:52人
・事業内容: 機械工具.測定機器.省力化機器の販売など。

日本産機新聞2026年8月5日号

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