2025年7月26日(土)

Joyful喜一HD 田中  健一社長「『輸入工具』で社会を支える」【特集:商社トップインタビュー】

人手不足や自動車の電動化など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。時代の変遷に対応し、販売店やユーザーをサポートするため、卸商社は独自の戦略を強化する。新商材の開拓やコト売り、デジタルツール活用や社内体制の改革など各社で事業戦略の違いが鮮明になってきている。卸商社各社の戦略や具体的な取り組み、それに注力する背景などをトップにインタビューし、その考えを読み解く。

自社展やSNSで市場調査やPR

田中  健一社長

今年取り組むことは。

新中期経営計画をスタートした昨年、グループテーマを『人の手が支える世界を支える』にリニューアルした。これは、人の手によって世界を豊かにしようとする営みを当グループの事業で支えるということ。

例えばその一つとして、今年は喜一工具が得意とする輸入作業工具で『人の手が支える世界を支える』ようにしていく。性能や機能に優れた海外の工具を求めている市場に的確にその特長を伝え、使ってもらい、貢献できるように取り組んでいく。

どういった市場に商品を伝えますか。

1つ目は保守・点検。ドライバーや乗客の安全を守るため航空機や船、建機の保守・点検で高性能の工具の需要が高まっている。2つ目は工具のウェブ販売。ウェブにおける工具需要は益々増えている。これらの市場にアピールしていく。

商品の特長を的確に伝える方法は。

対面営業に加え、主催展示会やSNSで情報を発信する。展示会は海外や国内の魅力ある工具を紹介するショーや仮想空間(VR)の展示会も開きたい。リアルとバーチャルで商品の魅力を体験できるようにする。

SNSはインフルエンサーのあんちゃん(社員)が、工具の特長やメーカーのこだわりを紹介したり、工具を使って魅力を体感したりする動画をユーチューブやインスタグラムに投稿し、より多くの人に知ってもらえるようにする。

これまでのやり方から大きく変わりそうです。

グループテーマを実現するため既成概念にとらわれず変えていく。展示会やSNSを市場調査や営業、商品開発に活かしていく。逆に目標や目的に合わないものは新たな方法に変えていく。

新本社ビルがいよいよ完成します。

8月末に完成し9月から業務を始める。これを新たなスタートととらえ創業100年、さらにもう100年を目指す。そのために将来を担う人材育成に力を入れていく。

日本産機新聞 2025年7月20日号

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