2026年9月30日(水)

エバオン 前西  衛社長「メタバースで会社を一体化」【特集:商社トップインタビュー】

人手不足や自動車の電動化など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。時代の変遷に対応し、販売店やユーザーをサポートするため、卸商社は独自の戦略を強化する。新商材の開拓やコト売り、デジタルツール活用や社内体制の改革など各社で事業戦略の違いが鮮明になってきている。卸商社各社の戦略や具体的な取り組み、それに注力する背景などをトップにインタビューし、その考えを読み解く。

連携強化で業務効率化

前西  衛社長

今年最も取り組むことは。

4月にウェブ上で仮想空間(メタバース)の事務所を開設した。国内の全従業員が一つのフロアに集結し、社員の分身(アバター)の横に行くだけで音声会話できる。業務連絡や打合わせ、新入社員の一次面接などで今後さらに活用していく。

導入した理由は。

社員のコミュニケーションの活性化につなげ、会社を一体化させるため。弊社ではテレワークを導入しているが、会話する機会が対面より減ってしまうのが課題だった。メタバースは会話や打ち合わせが手軽にできるため交流が生まれやすくなる。ほかに営業所で働いている人は、営業所=会社全体だと錯覚しやすいので、メタバースを通して当社の全体が見えるようになってほしい。それらを含め会社の一体化を目指す。

一体化で得られるメリットは。

社員が働きやすくなり、業務効率化につながる。会社全体を見据えた行動ができるようになるほか、営業所と本社の社員など普段接する機会が少ない人たちが、メタバースで会話することで社員同士の連携も強化されていく。営業所は数人しか在籍していない所もあり、手が回らないときや休みで欠員が出た際は、メタバースで手伝いの依頼もできる。全員が社内連携を意識するようになれば、自然に業務効率化へとつながっていくだろう。

社外にはどういった影響があるか。

社内連携を強化し業務効率化を実現することで、ユーザーへの対応時間をさらに確保できるようになる。従来よりもきめ細かなサービスの提供ができるようになり、ユーザーにも喜ばれ、社員もやりがいを強く感じるようになるだろう。

メタバースの今後の目標は。

上海や今年新設するバンコクの事務所の社員にも参加してもらい、さらなる活性化を目指す。ほかにメタバースを活用した「働きやすい環境づくり」にも引き続き注力する。

日本産機新聞 2025年7月20日号

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