2026年8月9日(日)

三共精機「Uターン学生の採用に力」【特集:機械工具販売店の人材採用・育成戦略】

「2027年4月入社は現時点で2名決まった。挑戦する気持ち、自己の成長を目指す若手の採用を強化したい」と話すのは経営戦略室の池ノ上理沙氏。今年4月から東京オフィスに採用拠点を設け、地方の若者が東京へ進学し、再び故郷に戻って就職を希望する「Uターン学生」を視野に、首都圏の大学との情報交流やネットワーク構築などリクルート活動を始めた。

昨今、大学生の総数は増えているが、人口減少に突入した国内では人材獲得競争が激化している。同社は学生との接点を増やそうと、サマーインターンシップを実施し、早期選考のチャンスを得る重要な機会だと捉える。「顧客や当社に対し、これまで気づけなかった課題を学生の視点で見つけ、解決するアイデアを提案してもらう企画提案型インターンシップを行い、内々定も出している」という。政府主導のルールはあるものの、企業の採用スケジュールは早期化し、大学3年生になる前から実質的な採用活動はスタートしている。

インターンシップなどで学生との接点強化

その中で、学生たちの関心を集めるには働く環境や企業ブランドが重要。同社は『ものづくりの課題解決』をテーマに、従来の機械工具販売に加え、デジタル、医用、経営支援など新たな事業を設立。マレーシアやフィリピンと海外拠点も設け、ダイバーシティな人材が活躍する魅力的な企業作りを進めている。「新規事業もどんどん立ち上げている。失敗を恐れず、好奇心や向上心があり、一緒に成長していける人材を求めていきたい」と池ノ上氏。新卒者を会社のコア人材と捉え、成長基盤となることを期待している。

若手中心に幅広い世代へ認知度を高めるために2年前からインスタグラムを開設。採用活動用とコーポレート用のアカウントを分け、SNSを通じた広報活動にも取り組む一方、中途採用は少し視点を変え、「専門知識やスキルを活かせる即戦力をテーマに、バランス良く採用したい」とは取締役の竹中幸氏。

今後の課題は『商社』という特異な職種の魅力作り。「営業職を希望する学生は減っており、エンジニアやIT系の人気が高い」という状況で、いかに商社の魅力を伝えられるかが必要になる。「お客様の課題に応じて豊富な商材やサービスを提案する、事業化できるのが商社の魅力」と池ノ上氏。今年のインターンシップから実務体験型も設け、顧客先での提案体験を盛り込むほか、働きやすい・働き甲斐のある企業として本社オフィスの改築も行う予定だ。

池ノ上 理沙氏

会社概要
・本 社:京都市南区吉祥院九条町49
・電 話:075・681・5711
・代表者:伊東大介社長
・創 業:1942年
・従業員:86人
・事業内容:切削工具、測定工具・機器、環境関連商材品、工作機械、装置などの販売(ものづくり課題解決業)。

日本産機新聞2026年8月5日号

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