2026年1月29日(木)

4―9月補助金特需
多彩に策、受注へつなぐ

主力商品に注力、申請書作成を請負

 今年の4―9月期は、省エネ補助金やものづくり補助金などの補助金制度が設備投資を後押しした。機械工具業界でも、申請の書類作成を請け負ったり、顧客や製品のターゲットを絞ったりして、その需要を捉えた企業も少なくない。次年度も8月発表の概算要求基準(シーリング)を見る限り、なんらかの補助金が出る可能性も高い。今年の販売店の取り組みや、受注を獲得する上で必要なことなどを取材した。

来年度も新たな補助金?

工具商「仕組み理解し臨む」

 4月下旬、急きょ予算額に達し、締め切られた「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備投資補助金(通称省エネ補助金)」。採択件数は3267件(製造業2791件)、金額は929億円に達した。9月末に第2次の採択企業が発表された「ものづくり・商業・サービス革新補助金(通称モノ補助)」も、1次、2次合計で1万3000件以上、1020億円が計上された。両補助金だけでも、2000億円近い投資が行われたことになる。
 統計にもその影響は色濃く出ている。日本工作機械工業会の4―8月の内需受注累計は2691億円と前年比の35%増を記録。日本精密測定機器工業会の統計でも6月単月の出荷が122億円と22%伸びた。
 こうした需要を販売店はどのようにして掴んだのか。ある機械販売店は「全てのユーザーに提示しなかった」そう。「好調な会社は補助金の有無にかかわらず投資する。後継者もきちんといて、投資に悩んでいるような中小企業を中心に提案した」と的を絞った結果、両補助金で5件の採択ユーザーを確保した。
 モノ補助で2件得た工具販売店の社長は「機械は機械販売店が強い。なので、あえて強みである測定に絞り提案した」という。3件の採択ユーザーを出した工具販売店も「強い金型分野に絞り、放電加工機2件で商売ができた」と、特化するやり方で受注を獲得した。

 戦略的な対応が必要な一方、各社が共通して重要だと指摘するのが、申請書類などの作成を請け負える体制だ。前述の販売店は「中小企業は特に文書作成に手間を感じる」とし、社労士を上手く使ったという。多くの補助金ユーザーを獲得した大手販売店でも「コンサルタントを上手く活用した」という。
 補助金特需に沸いた機械工具業界だが、次年度も何かしらの補助金が出る可能性は高い。8月発表のシーリングでも省エネや中小企業向けの助成金施策の文言が並ぶ。景況次第では補正予算で更なる補助金が組まれることも考えられる。
 前述の販売店社長は言う。「今回は申請方法などよく分からないままスタートしてしまったが、書類作成の請負など様々なことを学べた。今後は仕組みを整え、地方自治体の補助金なども調べ、ユーザーに提案したい」。

日本産機新聞 平成27年(2015年)10月5日号

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