2024年10月7日(月)

【特集:JIMTOF2022】PART2/ JIMTOF2022を読み解く5つの鍵

出展小間数、社数ともに過去最大規模となる「JIMTOF2022」。工作機械、切削工具、測定機器、ソフトウェアの最新製品に加え、今回はAMエリアも新設されるなど、ものづくりの未来を拓く最新技術が世界中から集まる。IoTやAI、自動化、AM技術など次代のものづくりを担うキーワードも盛りだくさんだ。では、今回はどんなポイントを抑えるべきなのか。「工作機械」、「工作機器」、「測定機器」、「切削工具」、「AMエリア」の5つを中心に見どころをまとめた。

PART1:工作機械
PART2:工作機器
PART3:測定機器
PART4:切削工具
PART5:AMエリア

PART1

工作機械

大型機、超微細精密に注目 〜多様な自動化の提案〜

東ホールでは、JIMTOFの主役である工作機械が集結する。5軸マシニングセンタ(MC)や複合加工機、旋盤、研削盤、放電加工機など、多種多様な最新機種が出展される。電気自動車の普及や半導体需要の拡大などによって、加工ニーズの変化は著しい。これらに対応する大型部品を高精度に加工できる機械や、超微細精密加工の新技術は見逃せない。

見どころの一つとなるのが、「自動化」だ。人手不足の問題に加え、原材料やエネルギー価格の高騰によって、製造業の経営環境は厳しさを増している。これらの問題へ対応するには、自動化を進め、現状の人材や設備の中で生産性を高めなければならない。

機械の自動化を実現するには、作業の標準化、加工ノウハウなどが必要となる。近年はあらゆるものがインターネットにつながるIoTやAIなどデジタル技術を活用し、製造現場の見える化を進めることで、自動化に必要な情報の取得ができる。例えば、工作機械にセンサーを取り付けて、挙動や加工を解析することで最適化を図ることが可能だ。またロボットやAGV(無人搬送車)など、あらゆる周辺機器と連携を強化することで、自動化が推進されている。

JIMTOFでは、これらの取り組みだけに留まらない。5軸MCや複合加工機を活かした工程集約による効率化のほか、ワーク、パレット、ツールなどユーザーの加工課題に応じた自動化が紹介される。工作機械メーカーが取り組む多様な自動化技術に注目だ。

「カーボンニュートラル(CN)」に向けた取り組みも進化している。近年はデジタル技術を活用し、機械の稼働状況や消費電力を正確に把握することが可能となった。これによって、無駄な動作時間の削減、不要な周辺機器の停止などにつなげる技術に注目したい。また複数の工程を1台で賄う工程集約など、省エネルギー化と生産性向上を両立する技術も要チェックだ。

東ホールでは、JIMTOFの主役である工作機械が集結する。5軸マシニングセンタ(MC)や複合加工機、旋盤、研削盤、放電加工機など、多種多様な最新機種が出展される。電気自動車の普及や半導体需要の拡大などによって、加工ニーズの変化は著しい。これらに対応する大型部品を高精度に加工できる機械や、超微細精密加工の新技術は見逃せない。

見どころの一つとなるのが、「自動化」だ。人手不足の問題に加え、原材料やエネルギー価格の高騰によって、製造業の経営環境は厳しさを増している。これらの問題へ対応するには、自動化を進め、現状の人材や設備の中で生産性を高めなければならない。

機械の自動化を実現するには、作業の標準化、加工ノウハウなどが必要となる。近年はあらゆるものがインターネットにつながるIoTやAIなどデジタル技術を活用し、製造現場の見える化を進めることで、自動化に必要な情報の取得ができる。例えば、工作機械にセンサーを取り付けて、挙動や加工を解析することで最適化を図ることが可能だ。またロボットやAGV(無人搬送車)など、あらゆる周辺機器と連携を強化することで、自動化が推進されている。

JIMTOFでは、これらの取り組みだけに留まらない。5軸MCや複合加工機を活かした工程集約による効率化のほか、ワーク、パレット、ツールなどユーザーの加工課題に応じた自動化が紹介される。工作機械メーカーが取り組む多様な自動化技術に注目だ。

「カーボンニュートラル(CN)」に向けた取り組みも進化している。近年はデジタル技術を活用し、機械の稼働状況や消費電力を正確に把握することが可能となった。これによって、無駄な動作時間の削減、不要な周辺機器の停止などにつなげる技術に注目したい。また複数の工程を1台で賄う工程集約など、省エネルギー化と生産性向上を両立する技術も要チェックだ。

PART2

工作機器

5軸加工への対応 〜状態を数値化、予兆検知を実現〜

ボールねじや直線運動用案内、チャック、ツーリング、円テーブルなど工作機械を構成する上で欠かすことのできない工作機器。工作機械に対する要求が高度化する中、工作機器に求められる性能も高剛性、長寿命、高精度など多様化している。特に近年は生産現場で大きなテーマとなっている自動化・省人化ニーズに対応できる工作機器の開発が進んでいる。JIMTOF2022でも、こうした製品や技術が披露される。

その一つが5軸加工対応。ワンチャッキングで工程集約ができる5軸加工は、生産性の向上や人手不足への対策につながるため、多くの現場で導入が進んでいる。この5軸加工を効果的に運用するには、多面加工や複雑加工に対応するバイスやチャック、ツーリングが重要となる。工作機器メーカー各社は干渉の少ない構造のバイスやツーリング、把持力の高いチャックなどを開発しており、JIMTOFでも最新製品を出品する予定だ。

また、自動化に欠かせないロボットへの対応も注目だ。多種多様なワークに対応したり、自動でクランプ・アンクランプできたり、ロボットを活用した自動化装置に組み込みやすい“ロボットフレンドリー”のチャックやバイスなどが展示される。バイスメーカーの中には測定機能を搭載したロボットハンドを展示するメーカーもある。

その他、部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するIoTサービスも見られそうだ。ボールねじや直線運動案内、ベアリングなどにセンサを搭載することで、部品状態を見える化し、保全業務の効率化やダウンタイムの削減などを可能にする。製品だけでなく、こうした生産性を向上させる各社のサービスにも注目したい。

また、工作機器でも環境対応や省エネルギー化は大きなテーマ。工作機械のCO2排出量の削減や環境対応をサポートするメンテナンスフリーや軽量化、省スペース化の製品も展示される。

PART3

測定機器

インライン対応の最新機器 〜自動化、X線CTにも注目〜

測定機器で大きなテーマとなるのが、インライン対応。近年、これまでの恒温室での抜き取り検査から製造ラインでの全数検査の需要が高まっている。測定機器が従来の品質保証だけでなく、安定して良品を作り続け、生産性を向上させるためのツールとして用いられるように変化してきているからだ。

そうした中、測定機器に求める性能や機能も変化しており、メーカー各社はそうしたニーズに対応できる製品や技術の開発を進める。JIMTOF2022では、製造ラインでも高精度な測定を実現する堅牢性やロバスト性といった耐環境性能の高い三次元測定機や、IoT(モノのインターネット)を活用し、測定・検査データをすぐに製造ラインにフィードバックできるシステムや機器などが展示される。

インラインでは精度だけでなく、スピードも重要となる。カメラやレーザーなどの光学技術を活用し、タッチプローブなどの接触式に比べて数十倍から数百倍のスピードで測定できる非接触式測定機器には注目したい。光学技術の進化によって、測定精度も向上しており、接触式と遜色のない測定精度を実現する測定機器なども登場する。

その他、自動化対応も見どころだ。ロボットやAGV(無人搬送車)などの自動化装置と測定機器を組み合わせたシステムや、測定プログラムの作成を自動化するソフトウエア、AIを活用しOK/NGの自動判別を可能とする技術などが紹介される。

また、X線CT装置などといった新しい測定技術にも注目だ。ワーク内部や複雑構造の寸法を瞬時に測定できるX線CTは3Dプリンタなどの技術が普及する中でより重要性が増している。また、3Dデータを取得できるため、製造現場のデジタル化にも活用できる。価格面などに課題があったが、導入しやすいエントリーモデルなども登場しており、JIMTOF2022でも新製品が披露される。

PART4

切削工具

難削や微細精密の新製品 〜脱炭素、工具管理まで多様な展示〜

超硬工具やダイヤモンド・CBN工具を中心に切削工具が集まる西1ホール。キーワードの一つが「難削材対応」だ。近年では、電動車や航空機、エネルギーなどあらゆる分野で難削化は進む。材料の高硬度化はもとより、セラミックなどの高脆材が増えており、加工難度は高くなっている。

こうしたニーズに対応する製品が多数展示される。超硬やダイヤモンド、CBN、セラミックなどの材質の進化に加え、新たなコーティングを採用した製品など、難削材を効率よく加工できる工具が多数見られる予定だ。

半導体や電子部品の微細化が進む中で、「超微細精密対応」の工具も見どころの一つ。刃先径φ1㎜のエンドミルや、HRC60を超える高硬度材を効率よく精密加工できるCBN工具などが紹介される。微細工具でもCBNやPCDといった材種も進化。こうした工具では、切削加工でも鏡面性を高められることから、磨き時間を大幅に短縮できるような工程集約の提案も見られそうだ。

加工課題だけでなく、航空機、自動車、半導体、医療、エネルギーなどユーザーごとに展示する工具メーカーも多い。自らの顧客の加工課題の解決策を探すことも可能だ。

切削工具でも「脱炭素」提案が見られそう。高効率に精度よく加工できることで加工時間を抑えたり、刃先交換式工具を活用することで、二酸化炭素の排出量を減らしたりする提案が見られる。さらに、加工時における二酸化炭素排出量を数値化できるサービスなども紹介される予定だ。また、工具メーカーがプログラム作成や効率的な工具管理までカバーするなど、機械加工にまつわる多様な提案が見られる。

西3、4ホールではダイヤモンドや研削砥石の新製品が多数展示される。半導体や光学業界などでニーズが高まる超精密加工向けの砥石やダイヤモンド工具のほか、精密切断などができる工具などもチェックしたい。

PART5

AMエリア

AMの最新技術一堂に 〜装置、ソフト、材料の新製品〜

今回初めて南ホールに設けられたAM(アディティブマニュファクチャリング)エリアには、60社超の関連企業が出展する。AMは装置だけでなく、材料、ソフトウェア、測定など多様な知見が必要なため、出展企業も幅広い。

装置ではあらゆる方式の展示が見られる。敷き詰めた金属粉末にレーザーや電子ビームを照射して造形していくタイプや、ワイヤや粉末材料にレーザーを照射し堆積していくタイプ、樹脂にレーザーを照射していくタイプなど多様な装置の進化が見みられる。

対象領域として、航空機や医療などのこれまでAMが先行して使われてきた分野に加え、ダイカスト金型向けや、鋳造型向けなどの造形の技術が多数紹介される予定だ。

AMでは、切削加工で不可能だった造形ができるため、設計思想や手法がこれまでとは異なる。「DfAM(デザインフォーAM)」と言われるほど、ソフトウェアの役割も大きい。トポロジー最適化や、造形物を支えるサポート部を効率よく造形できる機能など、AMに関するソフトメーカーの最新技術も見どころだ。

また、粉末をはじめ材料メーカーも最新の造形材料を展示する。金属粉末では、広く使われてきたマルエージング鋼に加え、SKD材相当の粉末や、ステンレス系の材料も展示される。また、銅やセラミック、高耐熱性や特殊な樹脂などの材料も紹介される予定だ。

周辺装置では、モデルをスキャニングする3Dスキャナーや、装置内の温度や湿度を一定に保つ窒素発生装置の新技術も展示される。また、AMは研究領域が広いため、大学や研究機関からの出展が多いのも特長で、こうしたブースでAMの最新技術動向を確認できる。

最新トレンドを知るにはセミナーを聴講するのも一つだ。連日AMに関連する様々なセミナーが開かれているので、知見を広めたり、深めたりするには絶好の機会だ。

日本産機新聞 2022年11月5日

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