2024年4月19日(金)

【特集】労働安全の最前線 ー作業者の安全守る注目製品ー

労働災害による製造業での死傷者数は約2万8000人と高い数値となっており、改めて労働安全に対する意識が高まっている。労働災害が起これば生産活動が止まり、事後の対応に追われるなど、ユーザーにとって大きな影響となる。一方、正しい労災対策は生産性向上にもつながると言われており、安全面だけでなく、生産性の視点でも非常に重要な要素といえる。今回の「労働安全の最前線」特集では、現場の安全確保はもちろん、機能面でも生産性向上に寄与する製品を紹介する。

PART1:イーグル・クランプ「軽量部材の吊り上げ、安全に」
PART2:空調服「フルハーネス内側に着用可能」
PART3:象印チェンブロック「安全・安心・効率向上」
PART4:ハタヤリミテッド「電線の溶解や焼損を防止」

PART1

イーグル・クランプ「軽量部材の吊り上げ、安全に」

軽量部材適用つりクランプ「Lightシリーズ」

「Lightシリーズ」は、軽量部材吊り上げ用のクランプ。軽量部材をしっかりと掴めるようにクランプのグリップ力を向上。これにより軽量の鋼板や形鋼を安全に吊り上げることができる。

鉄鋼構造物の製造現場ではこれまで、数十㎏程度の比較的軽い鋼板や形鋼は、作業者が複数人で持ち運んだり、重量物用クランプで許容を超えて運んだりしていた。

しかし作業者の安全を守るため軽いワークを安全に吊れるクランプを望む声が増えていた。これまで特別仕様品として手掛けてきたが、昨年、標準品としてラインアップに加えた。

縦吊り用の「LV型」と横吊り用の「LH型」の2機種。最小吊り荷重は10㎏。2点吊りで最小20㎏、最大200㎏の鋼板などを吊り上げられる。

PART2

空調服「フルハーネス内側に着用可能」

「空調服」スペーサー 一体型長袖ブルゾン

高所作業者向けフルハーネス型墜落制止用器具の内側に着用できるスペーサー付き「空調服」。立体メッシュ構造のスペーサーを「空調服」内部に一体化したことで、空気の通り道を確保し、気化熱による冷却効果を向上させた。

「空調服」の上からフルハーネスのベルトをかけてもファンの空気循環が悪くならないため、「空調服」を着用した上からフルハーネスを装着できる。また、スペーサーは柔軟性が高く、作業性を損なわない。加えて、着脱が容易な他、ベルトと体の間でクッション材のような役割を果たし、体への負担を軽減する。

ファンは腰ベルトの邪魔をしないように従来よりも高い位置に取り付けた。また、出し入れしやすい縦向きのファスナー式ポケットを採用し、安全性を高めた。

PART3

象印チェンブロック「安全・安心・効率向上」

軽レールクレーン

手押式自在クレーン「軽レールクレーン」は、現場に合わせて組み合わせたり、後付けすることができる。電気チェーンブロックと組み合わせて、曲線的な動きや3次元の動きも思いのまま滑らかに操作できる。組立作業や治具交換、型合わせ等々、身体への負担を軽減する。女性にも楽に安全に操作でき、荷役の作業性・効率を向上する。

高強度熱処理チェーンの専門メーカーとして提供する多彩なチェーンブロックから最適な電気チェーンブロックを選択。ダイレクトハンドシリーズ「スライドグリップタイプ」を電気チェーンブロックに採用すれば、親指で可動グリップを上下させるだけの片手操作が可能。シンプルでダイレクトな操作感により作業性を向上させる。ボリューム式の速度調整つまみで、作業に合わせた速度設定も可能。

PART4

ハタヤリミテッド「電線の溶解や焼損を防止」

ゼンビキリール(屋内用・屋外用)

コードリールの電線を巻いたまま定格電流以上の使用や長時間使用すると、電線が発熱し溶解や焼損といった危険な事故の原因になる。また、全長引き出しでの使用を啓蒙しても、煩わしさから巻いたままで使用されることが多いのも現状だ。 

ゼンビキリール(屋内用2機種ZBG-201KX・ZBG-301KXと屋外用1機種ZBN-0K)は中筒ドラムにコンセントを設置し、電線を全長引き出さないと使用できない設計になっている。そのため、電線が熱を持つことはなく、溶解や焼損による火災の危険を未然に防ぐことができる。

また、シンプルな構造で、複雑な機能もなく故障の心配もない。

関連特集記事は以下のリンクから

製造現場での労災の現状

労働災害で最も多い5つのケース

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日本産機新聞 2022年9月20日

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