2026年2月16日(月)

事業の再構築進む
半導体、医療、EVに参入増

投資や需要先に変化

新分野の開拓や業容転換など事業再構築を進めるユーザーが増えている。「事業再構築補助金」の採択企業をみると、成長が続く半導体製造装置、小ロットの製品が多い医療機器、そして自動車の電動化に関連する分野への参入組が目立つ。事業再構築に伴う動きは、単なる設備投資の増加だけでなく、「機械の需要先や投資の中身も変化している」(ある機械商社)という。さらに、カーボンニュートラル(CN)への対応で省エネ投資も加速するなど、投資内容や投資先が変化しつつある。

昨年新設したロボコム・アンド・エフエイコムの南相馬工場

20年度の補正予算で1兆1485億円が計上された「事業再構築補助金」。すでに4回目の公募を終え、約3万5000件が採択され、そのうち、製造業は2~3割を占めている。

では、どんな分野に参入しようとしているのか。多かった一つが半導体製造装置分野だ。約550社が同分野への事業転換を掲げている。半導体製造装置は右肩上がりの成長分野。10年前に1兆規模だった市場が、22年度には3兆円を超える見込みで、数年後には4兆円を視野に入れている。

医療機器関連も多く、採択企業は約500社に上る。同分野も成長が続く。国内の医療機器市場は19年度には4兆円近くまで拡大した。少量生産の部品が多いことから、中小企業での参入が多いのも特徴だ。

電動化やCASEなど次世代自動車に関連する企業も多い。民生品がメインだった部品メーカーは昨年、電池関連の部品を受注した。成長が確実視されている分野で、25年までに数十億円を投資することが決定しているという。

こうした事業再構築の動きに対し、ある商社幹部は「設備投資の増加につながるだけでなく、設備先や設備内容が変化している」と指摘する。

半導体製造装置部品に参入するプレス部品メーカーは補助金を使い、大型のサーボプレスを導入した。「メインだった自動車部品向けのプレス機では、対応できなかったからだ」という。ある金型メーカーでは補助金を活用し、特殊なレーザー加工機を導入するという。「新たな部品や加工の受託を狙いたい」と話す。

事業再構築に加え、CNに対応する省エネ投資も加速しつつある。ある自動車部品メーカーでは「CN対策に投資を積み増す。様々な提案を期待したい」という。事業再構築やCNなどの大きな変化によって起きる、需要先や投資の変化もおさえておきたい。

事業再構築補助金は21年度の補正予算でも6123億円が計上された。3月末から6回目の公募が開始される見込みで、22年度は3回の公募を予定している。申請要件の緩和や、政府が指定する「グリーン成長戦略」の14分野に課題解決につながる「グリーン成長枠」も新たに設けられる。

日本産機新聞 2022年3月20日

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