2025年12月3日(水)

三協精器工業 士別産羊のブランド化

大阪に羊肉店オープン

製造業から飲食業まで

ばねメーカーの三協精器工業(大阪市東淀川区、06-6322-2931)は大阪市北区に、同社の牧場で飼育した羊肉を提供する「士別バーベーキュ—はなれ」をオープンした。関連会社である士別三協(北海道士別市)が運営する牧場で育てられた羊肉を堪能でき、ラムチョップなど希少部位も楽しめるメニューで、士別産羊(サフォーク羊)のブランド化を図る。

同社は2019年、士別三協を設立し、農業事業と飲食事業を構え、札幌市内に飲食店3店舗を展開している。国産羊肉の流通は0・7%と僅かだが、同社は自社で除骨作業を行い、希少部位を提供することが可能だ。同社の赤松賢介社長は「サフォーク羊は現在、200頭ほどで来年には300頭飼育できるようになり、500頭になれば安定して北海道、大阪のお店に提供できる。大阪文化に羊肉はないが、ぜひ北海道・士別ブランドの羊を知ってもらい、地域振興につなげたい」と話し、お鍋や北海道の食材を堪能できるコース料理を用意している。

同社のばねは農業機械や自動車、航空機など様々な産業で使用されている。農業事業や飲食事業を展開する理由として赤松社長は「世の中では6次産業化とも言われるが、メーカーの失敗する理由として自社の製品が良いと思い込んでいるケースが多く、良いかどうかはお客様が決めること。当社ばねの25%が農機向けであり、牧場を持つと顧客の顧客になることができ、お客様の気持ちを知る機会となる。また、飲食事業で最終消費者とつながることもできる。顧客の声を聞き、生産につなげれば失敗はないと考えた」と語る。農業(牧場)を運営することで、農機の使い方、顧客側の感情が分かり、「営業も製造現場へ顧客の思いを伝えるようになってきた」とし、その効果が出始めているようだ。

日本産機新聞 2021年8月5日

[ ニュース ][ 日本産機新聞 ][ 機械工具業界の出来事 ] カテゴリの関連記事

ユーテック 水性切削液「アクアブルー」を実用化へ

従来切削油と同等以上の加工性能を実現 環境負荷も大幅軽減 主に油圧装置の製造・販売を手掛けるユーテック(大阪府南河内郡、0721・984419)が従来の油性や水溶性の加工油に代わる新技術として、水性切削・研削液「アクアブ […]

【Innovation!】バリレス工具

精度と時短、無バリで両立 製造現場で人手不足対策やコスト削減、安全性などのニーズが高まる中、それに伴いバリが出にくい切削工具の普及も進む。加工後のバリ取りを無くすことで熟練技術者に依存しない体制や工程短縮を実現するほか、 […]

2025国際ロボット展 過去最多の出展者で産業ロボの新製品やAIの新技術が一堂 

15万人以上の来場者見込む 世界最大規模のロボットの専門展示会「2025国際ロボット展」(主催日本ロボット工業会・日刊工業新聞社)が12月3日に東京ビッグサイトで開幕する。出展者数は673社・団体と過去最多の規模で、来場 […]

トピックス

関連サイト