2026年10月5日(月)

【特集】メーカー各社に聞く「良い工具」−三菱マテリアル−

基本工具のアップデート −難削材加工への対応−

三菱マテリアル 加工事業カンパニー 開発本部長 大橋 忠一氏

現在の開発テーマは。

 一つは、「基本工具のアップデート」。既存工具のさらなる加工効率向上や経済効率改善を目指し、新製品開発を行っている。

具体的には。

 鋼、鋳物、ステンレス加工などに適した材種開発がその一つ。昨年発売した高速領域で優れた耐摩耗性を示す鋼旋削加工用超硬材種「MC6115」はユーザーから高い評価を得ている。また、鋼旋削用第1推奨材種として、連続から断続加工まで幅広く使用できる鋼旋削加工用材種「MC6125」の開発も進めている。

 その他には、汎用超硬ソリッドドリル「DVAS」の小径(工具径1~3㎜未満)ラインアップを揃え、これまで難しかった小径深穴のノンステップ加工を可能にした。ミーリングカッタでは、片面仕様のシャープな刃先を維持しながら、より経済効率に優れた両面仕様の拡充も進めている。

その他のテーマは。

 「難削材加工への対応」だ。チタン合金や超耐熱合金などの難削材加工は、今後長期的な成長が見込まれる「医療」「航空機」などの産業分野でニーズが高い。超耐熱合金旋削用超硬材種「MV9005」など、対応製品の開発に注力している。

貴社が考える「いい工具」とは。

 「安心して使ってもらえる工具」だと考える。突発的な欠損が無く、寿命もばらつかない。そんな工具が「いい工具」ではないか。そのためにコーティングや素材、形状の開発に取り組んでいる。

今後の開発の方向性は。

 3次元積層造形技術やIoT、AIといった次世代技術を活用した工具開発に取り組みたい。こうした技術を活用することで、今まで実現できなかった工具の開発が可能になる。

流通業界にひとこと。

 今後、被削材はさらに多様化が進み、ワークの形状も変化していく。流通の方々には、そうした情報をメーカーに伝えてほしい。当社が持つ多くの知見や技術で対応する。

鋼旋削加工用CVDコーテッド超硬材種「MC6125」

 連続から断続加工まで鋼の幅広い加工領域で安定した高い性能を発揮する材種。皮膜応力制御、結晶配向制御、層間密着力の全てで新技術を適用し、耐摩耗性と耐欠損性の両立を実現したほか、刃先視認性が高い外観色を採用した。

日本産機新聞 2021年2月20日

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