2025年3月16日(日)

公平と評価と思いやり 人の振り見てわが振り直せ −仕事考–

この会社で働いて良かった

社員には「この会社で働きたい」「この会社で頑張りたい」と思って欲しい。但し、権利ばかりを主張し義務を果たさない社員は願い下げたい。

「この会社で働きたい」と思ってくれるには、会社への信頼が必要だ。「頑張って成果を出せば、会社は報いてくれる」「会社は道理に反することをしない」…といった信頼。

会社は「社員を守る」という覚悟が必要になる。その前提として、社員には公平でなければならない。公平は平等とは異なる。能力や成果に応じて評価をすることが公平であり、皆一律に報酬を支払う事はない。成果主義と年功序列の使い分けは、各企業で異なる。ダイバーシティや同一労働同一賃金が注目され、ますます公平さが求められる。

高齢者の活用も叫ばれている。当社は、先代から「60歳を過ぎても、出社できる間は希望に応じて勤務可能」という少し変わった方法を導入している。賛否両論あるが、途中入社で知識も経験も無い私にとっては、ベテランの意見やサポートはこの上なくありがたい。基礎がしっかりしていて、相談相手として心強い。若い人がリーダー役になり、ベテランが補佐すれば、組織は上手く動くはずだ。ベテランは若い頃のようには動けないかもしれないが、尊重の心は忘れてはいけない。

「会社をチーム」と考えた場合、女性社員はもちろん、関連会社の人も同じチームの一員。ところが、周りの社員や関連の人達に目配りできない社員がいる。本人は仕事一筋。土日も時間もお構いなく、企業にとっては、キチンとした仕事をしてくれればこの上ない有難い社員になるが、自分の都合を押しつけたり、意に添わないと言葉や目付きが物を言い、それが相手に伝わる。一緒に働きたくなくなる瞬間である。

会社は色々な考え方をもつ人たちの集りだ。周囲の人の気持ちや立場、環境を思う心、思いやる気持ちが大切なのは当たり前。それが次工程へ仕事を渡す時の配慮にも繋がり、仕事の効率アップと成果拡大に貢献する。「人の振り見てわが振り直せ」を一考したい。

日本産機新聞 2020年12月20日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

三共精機 柔軟な空間が生み出す創造性【京都特集】

グローバル視点で未来を拓く 三共精機(京都市南区)は多様性を尊重し、働きやすく人が集まる環境づくりを進めることで、創造性あふれる経営を目指している。 その一例が、社内レイアウトの刷新。オフィスにはバーカウンタ—を併設し、 […]

北出金作商店 『ありがとう』を返せる企業へ【京都特集】

めんどくさいことも喜んで 「人が生き生きと働き、明るく楽しい職場で、会社を好きになってもらいたい」と話すのは北出金作商店の北出幸裕社長。2019年に社長就任し、『ありがとうを、いきる』を経営理念に、社内改革に取り組むと同 […]

小林機械 中古機械の簡易審査リース開始

みずほリースと提携 小林機械(群馬県館林市、0276・74・4406)はこのほど、みずほリース(東京都港区)と提携し、簡易審査による中古機械のリースを開始した。動産総合保険を付与し、割賦販売にも対応する。現金での一括購入 […]

トピックス

関連サイト