2026年10月16日(金)

シェークスピアに学ぶ 部下を信頼、責任は自分 −仕事考–

感情と理性

 人間には感情がある。感情とは、喜怒哀楽で表されるだろう。どんなことに対してどのように、どれくらい反応するかは個人差がある。感情の対向に理性がある。両方が補完し合うのが人間だ。シェークスピアは「喜怒哀楽の激しさは、その感情とともに実力までも滅ぼす」と言ったらしい。感情を理性で律するからこそ全体最適を考え、選択することができる。

 私も「気が短い」「好き嫌いが激しい」「感情が顔に出る」と叱られたことがある。部下を持つようになると、その言葉をさらに意識するようになった。人間は感情の動物。喜怒哀楽が顔に出るのは仕方ないが、できるだけ感情の起伏を表に出さないほうが、物事がうまく運ぶことに気付いた。

 一般的に、好き嫌いが激しいと、自分が見たいことしか見ない。見たものを自分が見たいように換えてしまう。また、聞きたいことしか耳に入らなかったり、聞いていても自分に期待する答えではないと理解できないという子供のような人も見かける。

 感情がすぐに顔に出ると、部下は怒鳴られまいと忖度して上司が期待するであろう回答を返す。これは判断を間違える可能性がある。最適を選択できない。しかし金太郎あめのように同質の人間ばかりが揃った組織では多様性が失われてしまう。

 会社が発展し、営利組織として利益を稼ぐには、感情を出しすぎないようにし、多様な人が自由に意見を述べられる環境を作る必要がある。「いつでも話を聞いてくれる」「好き嫌いで判断しない」という空気が大切。これには忍耐が必要であり、ストレスを溜め込まないように心を平静にしておかなければならない。

 言葉を変えると、どんな部下をも信頼するということになる。部下は上司を選べないが、上司も部下を選べない。ならば、感情をコントロールし、どんなタイプの部下も信頼して、分け隔てなく平等に接する。ただし、もし裏切られたら自分の責任と覚悟しておく。信頼を与えたら、相手からも信頼が返ってくる関係でありたい。

日本産機新聞 2020年10月20日

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