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機械工具商社上場9社の第3四半期決算
全社が増収増益を記録
機械工具上場商社9社の2017年4〜12月期の決算(トラスコ中山は1〜12月)が出そろった。人手不足による自動化投資やロボットの需要増、半導体業界の伸長、自動車の好調など、ユーザー業界の設備投資増加を追い風に、全社が増収増益を記録した。この流れは1月以降も続いており、通期も全社が増収を見込む。なかでも、伝導機器を主力に自動化投資などの需要を狙う日伝や、半導体や車載部品に強い鳥羽洋行が通期予想を上方修正するなど、好調さが際立つ。
ユーザーの投資増が追い風に
人手不足が喫緊の課題となるなかで、世界中でロボットや自動化に関する投資意欲は強い。日本ロボット工業会によると、2017年の生産額は前年比で3割近く伸び、9000億円程度になりそう。さらに、IoT(モノのインターネット)化や、自動車の電動化などにより、半導体業界も活況を呈している。日本半導体装置協会によると、17年度は販売高を11%増の1兆7363億円と見込んでおり、好調が続く。
こうした需要をうまくとらえたのが、伝導機器をメーンとする日伝と鳥羽洋行だ。日伝は積極的に自社展を開いたことなどが奏功し、売上高886億円と前年同期比で16.3%伸びた。鳥羽洋行も半導体製造装置、車載部品などのユーザーが好調で、211億円と前年同期比で31.9%と大幅に売り上げを伸ばした。
もちろん、自動車や建機業界などでの投資も底堅く、工作機械や工具なども絶好調だ。日本工作機械工業会(日工会)によると、17年の工作機械受注額は過去最高の1兆6455億円を記録した。山善の工作機械部門は、アジアを中心とした海外需要がけん引役となり、1191億円と売上高を前年同期比で23.9%増加した。ユアサ商事やフルサト工業の機械部門も増収となったが、部品不足で納期が延びていることなどから、受注から売上計上までの期間が長期化しており、売上計上が先に延びる見込みだ。
工作機械にけん引される形で、切削工具や工作機器も好調を維持。NaITOの切削工具の売上高は170億円と前年同期比で9.3%伸びた。前年度に開設したテクニカルセンターを本格稼働させた大阪工機も、切削工具の売上を111億円と13.1%伸ばした。
近年、増加し続けているネット通販向けをけん引役に売上を伸ばしたのがトラスコ中山。1〜12月の売上高は1950億円と10.2%増となった。ネット通販向けのeビジネスルートの売上高は243億円と3割近く増加した。
こうした好調の流れは、1月以降も続いており、通期も全社が増収を見込む。大幅に売上を伸ばした、日伝と鳥羽洋行は通期予想をそれぞれ50億円、20億円上方修正した。
4月以降についても好調を持続するとの見方が強い。日工会は18年の受注予想を1兆7500億円としたほか、ロボットの生産額も1兆円を見込む。日本機械工具工業会も過去最高となる5000億円を目指すとするなど、総じて見通しは明るい。
日本産機新聞 平成30年(2018年)2月20日号
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