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オーエスジー 衛星事業の出資に参加
20年に量産化目指す
オーエスジー(石川則男社長)は、宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去サービスの開発に取り組むアストロスケール社(岡田光信CEO、本社・シンガポール)にANAホールディングスなどと共に総額2千5百万ドル(約28億円)にのぼる出資に参加した。20年に衛星量産化を目指す。
オーエスジーは、航空会社ANAを傘下に持つANAホールディングスなどと共にアストロスケール社に総額約28億円の出資に参加した。宇宙ゴミ除去衛星の量産と除去サービスへの取り組みを支援する。
オーエスジーは、既に15年に微小な宇宙ゴミ(デブリ)の観測衛星「IDEA OSG 1」打ち上げのメインスポンサーとして参画している。アストロスケール社では、来年初旬までに「IDEA OSG 1」を、19年後半には大きな宇宙ゴミ除去衛星の実証機「ELSA‐d」の打ち上げを予定している。
アストロスケール社は、過去に2回、産業革新機構やジャフコ、三菱UFJキャピタルなどから資金調達をしており、今回の調達を合わせて累計で約5千3百万ドル(約60億円)を資金調達したことになる。
宇宙空間には1㎝以上の宇宙ゴミが軌道内に約75万個存在しており、衝突・爆発を繰り返している。今後、宇宙開発がますます活発化することから、宇宙機との衝突事故を防ぐためにも宇宙ゴミの除去サービスが重要となっている。
宇宙飛行士の山崎直子氏が「宇宙は国際競争の場であり、国際協力の場でもある」としつつ「宇宙空間を広く使う時代に入っていく」と述べ、岡田CEOは「大きなゴミは今すぐに除去しなければならない。小さなゴミは位置・密度を観測し、宇宙機の設計に反映させて防御しなければならない」と強調。「衛星の安全運航管理には航空機で長年培ったANAの知見と、高品質な切削工具の提供と自動車・航空機などのモノづくりを支えるオーエスジーのノウハウが必要」とも。
今回の出資についてオーエスジー・大沢二朗常務は「今、モノづくりは大きな変革期を迎えている。自動車のEV化や宇宙産業など、今まで無かったものが生まれてくる。大きな実現可能な夢を一緒に作り上げていきたい」と語った。
ANAホールディングス・長峯豊之副社長は「宇宙旅行のPDエアロスペース(名古屋市)に続き2社目の宇宙事業への出資になる。新しい事業に挑戦する方々の支援に参画し、我々も成長していきたい。宇宙機の安全を確保するこの事業に熱く強い期待をしている」と力を込めた。
アストロスケール・岡田CEOは「20年には宇宙ゴミ除去衛星の量産化と除去サービスを開始したい」とした。
日本産機新聞 平成29年(2017年)7月25日号
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