2025年11月7日(金)

山善 「ヒューマノイド・フィジカルデータ生成センター」の構築プロジェクトに参画

人の作業を幅広く再現可能に/26年以降、本格導入目指す

山善は、ヒューマノイド(人間に似せた形状の)ロボット向けに最適化された「ヒューマノイド・フィジカルデータ生成センター」の構築プロジェクトに参画する。今年4月から業務提携しているINSOL‐HIGH社(東京都千代田区)が主催するコンソーシアム型の取り組みで、物流施設での実証実験を通じて、AIを活用した作業効率の向上と次世代オペレーションの構築を進め、2026年以降には全国の生産・物流現場への本格導入を目指す。

フィジカルデータ生成センターのイメージ

ヒューマノイドロボットが自律的に作業を行うには、「どのように動けばよいか」を学ぶための「学習データ」を、大量かつ高品質に蓄積することが不可欠であり、集めたデータを分かりやすく整理・分類する仕組みが必要。そのため、海外メーカーのヒューマノイドロボットを最大50台稼働させる大規模なトレーニング環境を整えたフィジカルデータ生成センターを、来年春頃に構築する予定。基礎動作の標準化から、ピッキング、搬送、組立など製造業・物流業それぞれに特化した専門動作まで習得させる。年内に10社の参画を目指し、各業界の大手企業と交渉を行っている。

本プロジェクトでは、参画企業各社がヒューマノイドロボットを複数台活用し、動作データの収集やデータ化のノウハウを習得するとともに、ピッキング、組立、検査、搬送といった作業を自動化するための学習モデルを構築する。さらに、各社が取得したデータを活用し合うための共有データ基盤を構築。「実作業の動きに基づいた、貴重なデータ」として体系化し、INSOL‐HIGH社が構築するデータプラットフォームに集約することで、高品質で汎用的な学習データを蓄積する。

そして、各社が自社固有の現場ノウハウや秘匿性の高い業務に対応するのに最適なデータを生成し、独自の自動化モデルを開発することで、コストを削減しつつ現場で学習させながら、さらなる作業成功率の向上を目指す。

トータル・ファクトリー・ソリューション支社・中山勝人支社長は、「ヒューマノイドロボットが“社会の一員”として、ともに働くための重要な第一歩。いち早く社会実装を実現することはもちろん、日本から世界に向けて新しいビジネスチャンスの創出を目指す」としている。

INSOL‐HIGH社は、DXコンサルティング(自動化導入支援)・WES開発など物流に特化したサービスを展開。物流企業のDXを加速するサービスをワンストップで提供する。

日本産機新聞2025年11月5日号

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