2026年9月30日(水)

取適法が施行 発注者の一方的な価格決定・手形払いが禁止に

供給網で適切な価格転嫁

下請法(下請代金支払遅延等防止法)が改正された中小受託取引適正化法(取適法)が1月1日、施行された。発注者の不当な取引を是正し、中小企業をはじめとする受注者が正当な取引や適切に価格転嫁できるようにする。サプライチェーンにおけるデフレ型商慣習から脱却し、産業全体のダイナミズム向上につなげる。

取適法は、発注者の協議に応じない一方的な価格決定を禁止する。材料やエネルギーのコストが上昇する中で、例えば受注者から価格協議の要求があったにも関わらず、協議に応じなかったり、発注者が充分な説明をしなかったりするなど、一方的に価格を決定し受注者の利益を不当に害することを禁ずる。

取引における発注者の手形払いも認めない。長らく続いてきた商習慣を改めて、受注者の資金繰りの負担を改善する。電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金額(手数料などを含む満額)を得ることが難しいものは認めないことにする。

適用対象となる取引における発注者と受注者の企業規模の基準も広げる。従業員300人超の企業が従業員300人以下の企業に発注したケースを新たに対象とした。これまで、発注者で資本金が小さな企業や、減資によって対象から逃れる企業があり、そうした不正を防ぐ。

「下請」という言葉も使わない。法律の題名から外したほか、「親事業者」を「委託事業者」、「下請事業者」を「中小受託事業者」、「下請代金」を「製造委託等代金」に改正する。下請は発注者と受注者が対等ではない関係という印象を払拭する。発注者も「下請」という言葉を使うことが減っている時代の変化に対応する。

日本のものづくり産業は1990年代以降、物価や賃金が横ばいで推移し長期にわたりデフレが進んできた。取引の適正化により産業のサプライチェーン全体で構造的な価格転嫁の動きを実現し企業経営の健全化につなげる。それによって革新的な商品・サービスの開発や経済全体のダイナミズム向上につなげる。

日本産機新聞2026年2月5日号

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