2026年11月2日(月)

サンコーインダストリー・奥山 淑英社長「自社製安全靴でねじの販路を拡大」【特集:商社トップインタビュー】

ビジネスの本質=付加価値を体現

奥山 淑英社長

–今年注力することは。

自社製安全靴の開発に取り組む。現在は社内で「開発」の定義を統一している段階で、約1年かけて方向性を固める予定だ。製品化は3年後くらいをめどに考えている。競合先には業界最大手を据えるが、性能ではなく価格面での勝負になると思う。安全靴市場は真っ赤なレッドオーシャンだが、1強企業が取りこぼした1%程度のシェアを獲得するのは可能ではないかと考えている。その程度であれば競合に警戒されることもない。

–安全靴を売ることの狙いは。

安全靴そのものを売りたいわけではない。靴の流通センターなどの販売ルートを通じねじの受注につなげる。あくまでもねじの新たなマーケットを切り開くためのもので、根本的な考えは変わらない。年間の売上は大きくなくても十分だ。

–今年はウェブ受注の締切時間を17時30分から18時へ延長しました。

昨年、東大阪市で新たな物流倉庫が稼働したことで生産性が向上し、30分の延長にも対応できるようになった。1日あたりの売上は数百万円ほど増えるが、そこまで大きなビジネス効果は期待していない。目的は効率化の成果を顧客に還元するためだ。利益に基準を設けて余剰分は外部へ還元するという、公共の利益を大事にしたい。

物流効率化でリードタイムを極限まで短縮することが重要とも思わない。大切なのは計画通りに安定供給することで、それが我々のミッションだ。

–サンコーインダストリーなりの商社論ですね。

基本的に事業規模の拡大を追い求めたり、「売れたら何でもいい」という考え方は好まない。

ビジネスの本質は付加価値にあり、それは加工によって生まれると考えている。当社ではねじを1本から販売するバラ売りが付加価値を生み出す加工になるが市場ニーズは一巡し、ビジネスモデルとしては後半戦に入ってきた。だから新たな付加価値で市場を広げていく。安全靴の開発もその取り組みの一つだ。

日本産機新聞2026年7月20日号

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