「フィジカルAI」追い風に、躍進 カメラによる画像情報から触覚を再現する「視触覚センサ」を内蔵したロボットハンドがコア技術のFingerVision(東京都江東区)。同社の濃野友紀社長は、北米市場での拡販に向けた体制強化 […]
そこに愛はありますか?【現場考】
立場と気持ちを考える/部下への指導
組織のリーダーの重要な仕事のひとつが部下を育てることだ。自らの経験に基づき、培った技能やノウハウを伝え、それぞれの個性を生かし能力を伸ばす。では部下を指導するうえでリーダーが備えるべきことは何か。ある商社の社長は、「愛」だという。
別の課の若い営業がユーザーに叱られている。誤送し期日に商品が届いていない。原因は発送伝票の確認ミス。今日中に届かないと生産計画に遅れが出る。上司は退社し助けられるのは自分しかいない。それならばと、在庫を持つ商社で商品を引き取り、ともに謝りに行ってあげた。
例えばそれが「愛」だという。仕事の基本を怠った本人に責任があるし、本来なら直属の上司が対処するべき。会社として失敗をカバーしなければならないが、見返りは期待できない。むしろトラブルに巻き込まれるかもしれない。それでも困っている人を見捨てることはできない。
愛とは相手の気持ちを正確にイメージして共有し、良い方向へ導こうとする衝動なのだと思う。困難に直面している人に手を差し伸べる。目標の達成をともに喜び、次の目指す道へと後押しする。自分のことはさておき、他者の成長や成功を心から喜べる。そうせずにいられない。
20代、30代のころよく叱られた。仕事への取り組み方や考え方を全否定されたと感じることもあった。しかし愛を感じた。上司が自身の若き頃を振り返り、照らし合わせ、進むべき道を照らそうとしてくれたのだと思う。今ではそれが仕事に取り組む姿勢や理念の一部になっている。
多くの企業が人手不足に悩んでいる。採用できたのに給与や労働環境を理由に辞めていく。ただ、その理由はもうひとつ、愛が足りないからではないだろうか。愛をもって喜び、叱ってくれたら、部下はそれに応えたくなる。成長して上司に、会社の発展に貢献したくなる。
日本産機新聞2025年10月5日号
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