2026年2月9日(月)

どうなる2026年 メーカー5社新春座談会(前半)

人手不足や高齢化に商機

2025年の国内経済は自動車産業の回復の遅れや半導体市場の低迷などで厳しい局面が続いた。その中、製造現場は人手不足・技術者の高齢化が大きな課題となっており、現場の自動化/省人化、環境改善、技能伝承に注力するユーザーも増えている。新春座談会では工作機械、切削工具、工作機器、測定機器のメーカー5社に2026年の見通しや変化するユーザーニーズをどう捉えて、どう対応するかを聞いた。

出席メーカー

ブラザー工業

マシナリー事業

産業機器営業部

久田 敏生部長

工作機械メーカー。生産性の高い30番加工機のみに注力し、5軸/複合加工機、横形マシニングセンタ、100本マガジン、パレットチャンジャ—などを開発している。入社後、加工技術者ながら営業へ転身。大阪、長野、タイ、中国など国内外拠点へ赴任経験を持つ。直近、海外向けの受注が牽引し、国内も補助金活用で昨年以上の水準を確保。加工機の高機能化に加え、100本マガジンや自動化システムなど、変種変量生産に適した製品群で40番加工機からの置き換え提案を進める。

住友電気工業 

 ハードメタル事業部

グローバルマーケティング部

二越 正史部長

大手切削工具メーカー。超硬やCBN、ダイヤモンドなど様々な切削工具を製造する総合メーカー。入社後、2008年に住友電工硬質合金貿易(上海)有限公司の営業部長、ハードメタル事業部・海外営業グループ・グループ長、20年にタイ法人社長など海外経験が豊富。直近、自動車産業が低迷しているものの、航空機や半導体市場を中長期的な視野で開拓を進める。暗黙知が多い切削加工の中で革新的な『センシングツール』によるスキルに依存しない製品を訴求。

東京精密

計測社

国内営業  営業4部

藤井 省吾部長

精密測定機器メーカー。三次元座標測定機や表面粗さ・輪郭形状測定機、真円度・円筒形状測定機、光学測定機など幅広い製品を手掛ける。高校時代はサッカー強豪校に在籍し、全国大会で2度優勝の経歴を持つ。九州営業所所長を務め、今年4月に営業4部の部長に就任。大阪、姫路、広島、九州の4拠点を運営している。直近は航空、防衛、宇宙、エネルギー関連が牽引。測定データを活用したビッグデータ化のニーズも高く、システムの案件も増加傾向にある。

北川鉄工所 

キタガワ グローバルハンドカンパニー

松葉 範仁社長

大手工作機器メーカー。チャックやシリンダ、産業用ロボットハンド、加工幅を広げるNC円テーブルなど幅広く手掛ける。2002年から事業企画、海外営業などを経て、12年から23年までキタガワメキシコに駐在、新規立ち上げに関わり、17年から現地社長を務める。24年にカンパニー社長に就任。直近は海外展開を進め、インドにチャック生産工場を立ち上げ中、海外販売サービス体制も強化。経験や勘に頼らず、チャックの把握締付作業ができるチャックなど新たな市場を開拓。

BIG DAISHOWA Japan 

執行役員
西部営業部・営業企画部

大橋 浩明部長

ツーリング総合メーカー。ツーリングシステムの製造・販売ほか、測定機器やFAシステム、ソフトウェアの開発を手掛ける。入社後、埼玉、東京、神奈川を中心に一都六県で営業に携わり、現在は西日本の営業部兼営業企画部部長を務める。昨年は関西以西を中心に受注状況は好調で、特に造船、防衛関連が活況。人手不足や高齢化に対応するため、自動化/省人化あるいはスキルレスなど現場ニーズに応じた製品群でユーザーの課題解決に努めている。______________________________________________________________________________________

司会 では2025年を振り返りたいと思いますが、メーカー各社によって感じ方も異なると思います。まずは工作機械からいきましょう。

久田 今年は非常に良かった年ですね。全体で見ると、グローバルで前年比2割ぐらい伸びて、特に中国が良く、全体を引き上げてくれました。国内はあまり良くありませんが、去年より若干上がっていて、受注状況は日本工作機械工業会(日工会)の伸び率より良い状況で、悪い中でも周りを見るとよくできた方かなっていう感じですね。

司会 国内は平均よりは良いということですが、どの市場がよく動いてたという印象ですか。

久田 市場動向より補助金に力を入れました。販売店さんにも丁寧に説明を行い、補助金を中心に徹底してやろうと取り組んだことが今年の成果につながったと思います。市場でいえば、自動車関係の動きは鈍いですね。なので、補助金と新製品を出して、従来と異なる客層にアプローチしていきましたが、その効果も出ています。  

司会 従来と異なるユーザー層というのは。

久田 40番・50番クラスを使用しているユーザーへの提案を強化してきました。直近、ラインアップした機種は大型ワークへの対応やツールマガジンの本数を増やし、ブラザーの機械は良いんだけど、ちょっと搭載工具の本数が少なすぎる、積載できるワークサイズが小さいなど、かすっていたけど微妙だったユーザーに響く機械に仕上がったので、今まで導入していなかったユーザー層にリーチできています。

司会 切削工具はどうでしょう。

二越 25年は全体で金額ベースだと昨年を上回り、結構為替に助けられたところがあります。物量だけだと前年と同等で国内も同じです。当社の売上の多くが自動車向けですから、国内の自動車に関して明るいニュースがなく、製造ラインも海外へ移管している状況です。エンジンはまだ残っていますが、新しいプロジェクトはなく、中長期的に見ても国内は今より伸びることはないのではないでしょうか。

司会 自動車は厳しいとの声は多いですが、他の市場は。

二越 現在注力しているのは自動車以外で、航空機、半導体、医療、あと発電タービンなどに注力しています。ですが、自動車産業のボリュームが圧倒的に大きく、その穴を埋める市場がなかなか見つからないというのが正直なところです。

航空機産業は先行きが明るく、ボーイングやエアバス関連も10年間は注残があると聞きます。中長期的には少なくとも市場が縮むことはないですが、我々のシェアもあまり大きくないので、新しく航空事業推進室という組織を作り注力しているところですね。

司会 航空機市場の開拓がカギということですね。東京精密さんで九州はどうでしょう。

藤井 九州の受注状況は悪くなかったですね。大阪は非常に厳しいですが、姫路と広島は過去最高の数字を記録しました。また、この要因は航空、防衛、宇宙、エネルギーがトレンドに上がっています。九州にはTSMCさんがありますが、まだ恩恵を得ていません。

あと、ロボット関係、航空機、防衛などで大手ユーザーの設備投資や更新がありました。ただ、数字の内容を精査すると、中小ユーザーで買い控えが起きています。古い設備があっても更新や増設に至っていないので、今後のカタログ型補助金に期待するしかないですね。測定機は生産設備ではないので、ユーザーも慎重に考えながら投資していると感じた1年でした。

司会 中小ユーザーが厳しいとのことですね。何か取り組んだことは。

藤井 セミナーやキャンペーン、あとプライベートショーなど様々な取り組みを行っています。

司会 工作機械と関連の深い工作機器は。

松葉 国内は悪い中でも昨年同等の売上を確保しました。特に東京、機械メーカー向けが悪かった印象です。海外でなんとか売上を増やし、全体としてはプラスになってるんですけど、収益的に非常に厳しい。その原因は先ほどちょっとお話したんですけど、我々は工作機械の旋盤系がメインで、日工会の統計を見ると、5軸加工機や複合加工機の売上は増えていますが、我々の製品は景気の波とは異なり、下がっているところに強く危機感を持っています。景気が良くなれば良くなるみたいな話もありますが、我々はそれに乗れていない。あと、自動車向けが大部分を占めるので、量産の仕事が出てこないと新しい設備投資もないのが厳しいと感じます。

司会 自動車産業以外も広げようという活動は。

松葉 エンドユーザーが今後のテーマですね。そういうアンテナがまだ張れてないので、そこに手を入れようと思います。私が毎週の会議で営業部長として引き合いを1件1件細かく全部見るようにしています。その中で我々のチャックを使って、今までとは異なる仕事をやっているユーザーは何をしているのか知る必要があります。例えば、半導体関係だと加工時の切粉が非常に細かいので、それが侵入しないように高い剛性と防水性のある製品を作るとか。特殊モノも含めて、まずユーザーの動向を把握するマーケティング活動を行い、商品開発に活かす取り組みを一昨年から本格的に始めました。営業支援システムも導入し、使えるような仕組みを整えて、得た情報を共有し、フィードバックできるような体制を構築しています。

二越 質問ですが、旋盤がメインなんですか。イメージは円テーブルが多いかと思いましたが。

松葉 円テーブルも多いですよ。もちろん、半分以上は旋盤用のチャックですが、円テーブルの比率も高いです。

久田 最近のイメージはマニピュレーター用ハンドにも力を入れておられると感じます。

松葉 そうですね。名古屋に自動化チームも作り、ワンストップソリューションでお客様の課題を理解し解決する取り組みを始めたところで、旋盤周りからロボット関連(計測含む)まで外販するような活動を行っています。まだ成果につながっていませんが、これからです。

大橋 皆さんとあまり変わりませんが、2府4県の中では姫路界隈と瀬戸内方面が良かった。そこから西を見ていくと、広島方面も良かったです。肝心の大阪が芳しくなかったですが、全体はそんな感じかと思います。

二越 姫路でいうと大手の重工業関係ですか。

大橋 そうですね。その辺りは良かったけど、全国で見ると同じような傾向で、関東は総じて少し落ちていますが、新しい話も出ており、持ちこたえている状況です。全体の数字は24年時とあまり変わりません。もう少し伸びを期待していたんですけども。

司会 西日本が良いというのは造船ですか。

大橋 業種では造船が良いですね。「これから何年か先まであるよ」という話も頂戴しているので、造船関連は好調だと思います。その他でいうと建機・農機はそれほど良くないですが、能率を上げるために設備更新の話を頂いています。我々のホルダは切削工具のように直近すぐ出荷されるものと、設備のように先々予定されているものとの2通りがあり、現状、すぐ出ていくものは少ないですが、先々あるもので頑張っているという状況です。

また、防衛装備品など防衛関係も予算が多く付いてるようで、補助金もあるようなので期待しています。半導体関連は今まで大型チャンバーなど機器関係ではなく、データセンターや生成AI向け半導体が忙しく、そのユーザーは好調でした。

司会 補助金という言葉も出ましたが、やはり重要になっていますか。

久田 補助金はどんどん出して欲しいです。中国では古い工場や整備された工場も両方ありますが、どちらも最新機を導入しており、これでは日本が負けてしまいます。ユーザーも設備を大切に使っておられますが、生産性や省エネ性能も違うので、我々も独自で設備の買い替えキャンペーンを行っています。

二越 工具のような消耗品は補助金に縁がないんですけど、業績への影響は大きいですか。

久田 国内はおそらく20%ぐらいは補助金を通じて購入頂いたのではないでしょうか。正確な数字は分かりませんが。販売店さん向けに補助金セミナーなど啓蒙活動したことで、かなり恩恵があったと思います。

大橋 我々も補助金はずいぶん前からやっています。ただ、補助金の交付件数が数年前に比べると減っている感じはします。ただ、補助金ありきで設備更新するというのは相変わらず多いですね。

司会 来年もやはり補助金はあってほしいですか。

一同 もちろん。

司会 25年を総括すると産業別では良い悪いが分かれ、補助金活用が起爆剤になっているという現状があるかと思います。続いてはユーザーのニーズで、10年以上前から自動化/省人化と言われてきましたが、直近、人手不足や高齢化が深刻化し、ニーズも変化してきているように感じます。次は東京精密さんから。

藤井 測定データとデータ活用を求めるユーザーが増えていることは間違いないでしょう。これまで測定データをファイリングして終わりでしたが、現在はそれをどう生かし、フィードバックして、データをもとに効率よく作業を進めるかというのが大きなニーズになってきています。

司会 測定したデータとCADとの整合性というのはありますが、現代のデータ活用とは。

藤井 そうですね。得たデータをAIで取りまとめるようなシステム化の話も多いです。

司会 システム化するとどんなことができますか。 

藤井 傾向管理です。データを見てチェックし、そこで終わりじゃなく、それを活用して、さらに循環させる仕組みで、得た測定結果の情報を加工にフィードバックして全部を合理化する方法が求められています。加工から測定まで全体を見える化するところまでやってほしいっていうユーザーが想像以上に増えました。

司会 どんなユーザーさんが多いんですか。自動車産業とか。

藤井 航空機産業やロボット産業に多いです。結局人を介さない工場を作りたいんですね。24時間体制でほぼフル稼働なのに、人は数人ぐらいしかいない。工場を完全にシステム化する案件です。

司会 加工誤差が出た場合はどうするんですか。

藤井 その誤差から追加工を機械に指示してという流れになります。すでにユーザーが独自のシステムを持っていて、そのシステムに当社の全データを投げ込んでくれという依頼もあります。例えば、稼働している全ての三次元測定機を対象に、あらゆる測定データに加え、稼働状況に関するデータを含めて収集し、それらをビッグデータとして活用する構想を進めています。

司会 表面粗さなどはどうでしょう。 

藤井 粗さはそのラインに入ってないですが、測定データっていうのを全部そういう風に料理できるようにしてほしいと。

司会 中小ユーザーでは。

藤井 一番多いのが日中は人が作業し、夜間はロボットが動く工場にすることです。一気に自動化はできないので、私たちは提案の幅を広げ、まずプログラムだけ作りましょう、ツールだけを作りましょうと、少しずつできる領域を広げる提案を行っています。一気に全部を自動化というとユーザーも難しいし、投資額も大きくなります。まずは部分的に進めています。

司会 チャックと言えば自動化/省人化で必要になることも多いですが、工作機器の観点からはどうでしょう。

松葉 中小企業で夜間稼働したいというニーズは変わらず多いですね。日本は職人さんが高齢化し人材が不足しています。これから1年2年が大きな転換期になるでしょう。定年退職する人が増えると現場も回らなくなります。ベテランの職人しか触れない機械があると、夜中に設備が止まっても動かすことができない。

司会 だから、夜間稼働のニーズがあると。

松葉 そういうことをやりたいなと思います。半導体、航空機、医療も中小企業が支えています。そうしたユーザーは我々のスクロールチャックやバイスを使ってくださっています。変わらない定番商品ですが、それを職人さんが手感覚で使用している。それが最先端の半導体製造装置の基幹部品になってるわけです。つまり、その人がいなくなったら精度が出せない。そこに我々の商機があります。従来、職人さんが個々でアレンジしていたものを標準化し、技能や経験がなくても掴むことができるチャックや機器をリリースできれば、作業も軽減でき、中小ユーザーに活用頂けると考えています。

司会 技能伝承もユーザーの課題です。

松葉 最新の5軸加工機があればいいですけど、そういうわけにはいかない。汎用機を使って一個作りで支えられてきたのが半導体関連の世界です。自動車みたいに何万個作ることはないので、投資もしづらい。日本はそういう職人さんがいて、良い製品が出来る。中国は良い機械があれば、まず投資して、それを使えば良いという考えで、みんなで頑張って組み上げるという日本人の世界観とは異なります。

司会 ホルダはどうですか。セッティングとか職人技の要素もあります。

大橋 ホルダも同じく、誰がやっても、スキルレスでしっかり掴めるものにしようと考えています。昨日まで別業種で働いておられた方がラインに入ってもすぐ使えるというニーズが非常に高まっています。そうした商品は非常に伸びており、もう待ったなしのニーズです。

司会 スキルレスというのは職人でなくても簡単にセッティングできるということですか。

大橋 ハイドロチャックやコレットチャックも精度が良いのは当たり前で、誰がセッティングしても同等の精度が出せるようにしないといけない。今はATC100本の機械も増えていますが、ツールの本数が増えれば、簡単にチャッキングできるものでないと、現場の作業効率に関わります。

我々も自動化をテーマに、製造情報の総合管理ソフトウェア『ファクトリーマネージャ』という商品を出していますが、中小ユーザーで、全部を自動化させるのは予算的にも難しい。そうではなく、少しずつ省人化を図りながら、そこにホルダやシステムを紐づけて進めています。ユーザーも人が減っていくのは分かっているので、どうしようかと考え始めていますね。

司会 スモールスタートというか省人化の切り口で徐々にできる範囲を広げて、最終的に自動化する形ですね。

大橋 我々の工場は淡路島にありますが、人口減少は進んでいます。明石海峡大橋を渡ってくる人、出ていく人もありますが、淡路島は日本の縮図です。5、6年前に15万人いたのが13万人になりました。だから、ワンロボット・ワンマシンの概念で自動化を進めています。いくつかの工場でそれぞれ異なる自動化を取り入れ、トライ&エアーを繰り返しながら、加工に合った自動化を図りました。実現可能な省人化工場として見学者も増えており、我々の提案がハマるケースも出ています。

司会 少しずつ自動化/省人化を図ることが大事なんですね。

大橋 多品種小ロットや変種変量と言われる時代ですから。ユーザーも大きな仕事があると思いきや、いきなり仕事がなくなるというケースもあるので、徐々にというのが一番合理的ではないかと思います。

司会 切削工具で職人技の部分はありますか。

二越 切削工具は一番勘と経験を重要視されていました。数十年前までは職人が工具を研いでいたわけで、究極のカンコツの世界です。それが数十年かけてカンコツが要らないように変わり、この流れは今後も続き、人手不足に端を発して、その傾向は加速しています。今までは職人が音を聞いたり、切粉を見たりして、勘と経験で工具寿命を判断していたのが職人技です。それをできるだけ必要なく簡単にすることが求められています。

切削工具業界のホットなトピックに『センシングツール』があります。工具にセンサーを組み込み、切削抵抗をリアルタイムに可視化できます。このツールにより職人技に依存することなく、誰でも工具寿命を判断できるようになりました。切削工具は従来、寿命の約6~8割ぐらいでしか使われていないのが一般的で、リスクを考慮して交換していたのですが、これで工具ロスがかなり減ると期待しています。

司会 レアメタルの問題もあります。

二越 工具には大量のレアメタルが使われており、現在は原料不足で工具価格も高騰しています。生産面で影響が出ているメーカーも増えてきました。そのため、工具を限界まで使い切ることは今まで以上に重要で、今後も需要は増えると思います。

司会 センサーはツールに付いているのですか。

二越 正確に言うとホルダの中に組み込まれています。昔から機械主軸の電流値から工具の状態を見てきましたが、工具の方がより先端に近い箇所で計測できるので精緻なデータを得ることができます。ミーリングと旋削の両方を用意しており、例えば、エンドミルで加工した場合、どの刃にどれだけ負荷がかかっているか全部数値化できます。そうすると、従来8割の消耗度で交換していたものを寿命ギリギリまで使用でき、アラートを出すことで不良になる一歩手前で加工を止めることができます。

司会 工具ロスを減らせるとコストダウンになります。導入は大手ユーザーが多いですか。

二越 中小ユーザーですね。現状は1日の技術サポートかレンタルでの対応です。もっと使いたい、買いたいと言われるんですが、販売には至っていません。今後、需要が伸びれば価格も落ち着くと思います。

司会 最後に工作機械は。

久田 我々のユーザーは大量生産する企業の割合が多かったですが、変種変量や少量多品種で加工するユーザーも増えています。意図的にそちらを狙っていますが、客層が変わるとニーズも異なります。直近は搭載できる工具本数を100本にしたり、自社製パレットチャンジャ—を作ったりと新しいラインアップを増やしてきました。自動化パッケージの方が商社さんの手間も減ります。トラブル時は当社が一貫して責任を持って対応することを始めた結果、予想より早く計画以上の受注が取れている印象です。

司会 5軸加工など高機能化も増えました。

久田 5軸加工機は日本もトレンドになっていますし、一度セットしたら完成品まで仕上げることができます。そこにパレットチャンジャ—を付ければ、加工前の段取りと加工後のワークを外す作業しかなくなるので省人化に向いています。今後も5軸加工機の流れは続くでしょう。

司会 誰でも簡単に使えるようになりますか。

久田 動きが複雑なので慣れないというユーザーも多いですね。ただ、現代は図面を見て、自分でプログラム作成する時代ではなく、CAMを活用するのが一般的で、当社も5軸導入セミナーなどを実施しています。我々の機械は他のメーカー(40番加工機)よりも相当安価になりますので、精度なども踏まえて、ハマるユーザーには最適な設備になると思います。

司会 ここまで25年の振り返りと、ユーザーニーズについてお聞きしましたが、後半はニーズに対する取り組みや26年の見通しをお聞きします。

日本産機新聞2026年1月5日号

後半につづく

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