2025年4月19日(土)

大阪工機 社名をCominixに
海外展開を加速、希少金属販売も

10年後に売上高1000億円

柳川社長
柳川社長
 大阪工機(大阪市中央区、06・6765・8201)は4月1日、社名をCominix(コミニックス)に変更する。海外展開を加速し、その一方でレアメタル(希少金属)の販売も始める予定。社内的な目標だが10年後に売上高を今の約4.3倍の1000億円に伸ばす計画で、事業展開を拡大し目標達成を目指す。

 Cominixは、同社が取り扱う切削工具や工作機器などと、それを提案し販売するサービスを総称するブランド名。「伝える(Communicate)」「最小限のコスト(Minimum)」「最大限の品質(Maximum)」などの英語を組み合わせたもので、約20年前に商標を登録。海外メーカーの商品群をCominix製品と呼び、特約店会や海外の現地法人の社名にもCominixを使ってきた。

 今回社名を変更する理由の一つは、事業のグローバル化を図っていくためだ。同社では1990年代以降、海外の有力工具メーカーの商品取り扱いを始め、グローバルスタンダードである海外メーカー品で圧倒的な実績を誇る。

 また、国内市場で販売基盤が少ないが競争力のある商品を製造するメーカーも断続的に発掘している。こういった取り組みにより現在、常時10万点の品揃えを実現し切削工具市場の世界シェア60%をカバーする多彩なメーカーと取引するまでに至っている。

 海外の営業拠点は、2002年にタイに現法を設立し、その後、中国やフィリピン、ベトナム、メキシコ、米国などに進出。現在、アジアや北米など世界8カ国(25拠点)に展開する。

 海外では日系や現地のユーザーを中心に開拓し、売上高は2018年4-12月期で33億6千万円と全体の約20%を占める。海外進出は今後も加速していく計画で、2月に開いた記者説明会で柳川重昌社長は、「明確ではないが、次は南米などいくつかの地域に進出したいと考えている」と話した。

 同社は1945年に大阪で中央機械工具商会として創業。その5年後に大阪工具、そして4年後に大阪工機と68年もの間、「大阪」を社名に用いてきた。その「大阪」を外すのは、より広い地域から優秀な人材を採用したいという狙いもある。「大阪や関西の企業というイメージを与えてしまうのか、東京や名古屋では二の足を踏む新卒者が多いように感じる」(柳川社長)。

 そしてもう一つの大きな理由は、事業展開の多様化を図っていくためだ。近くタングステンやモリブデンといった希少金属をモンゴルなどから輸入・販売する計画。

 切削工具の原材料として用いられるタングステンは世界的な需要急増や世界生産の80%を占める中国の環境規制で供給がひっ迫。原材料を安定調達できる新たな供給手段として、住友電気工業など日本の切削工具メーカーにレアメタルを販売する考え。

 記者説明会では、社内的な目標だが、日本と海外事業を合わせた年間の連結売上高を5年後に500億円、10年後に1000億円にする目標も発表した。

 これまで強みとしてきた生産性向上を提案する営業展開などを推進する一方で、海外展開や希少金属の販売に力を入れ、今(2018年3月期見込み230億円)と比べて5年後に約2.2倍、10年後に約4.3倍に伸ばす計画だ。

日本産機新聞 平成30年(2018年)3月20日号

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