今回のメーカートップインタビューは、「伝導・搬送・物流・運搬機器編」。メーカー各社は、新製品の拡販や新たな経営資源の開拓など、さらなる成長に向けた戦略を描く。変化する市場環境をどう捉え、どのような策を講じるのか。各社のト […]
〜生産現場を訪ねて〜
栄工舎新潟工場(新潟県魚沼市)
一貫生産体制を整備 生産能力を1割向上
リーマやカッターなどを手掛ける切削工具メーカーの栄工舎(東京都大田区、03・3738・3970)は昨年10月、総投資額4億円超をかけて新潟工場(新潟県魚沼市)を拡張し、前工程を担う広神工場(同)の機能を統合した。旋盤、フライス、焼入れ、研磨、検査工程を集約した一貫生産体制によって生産効率の向上はもちろん、技能者の多能工化など高度な技能を持つ人材の育成も目指す。「良いものを効率良くつくり、他社には真似できない工具づくりに取り組んでいきたい」(越智宏晃工場長)。生まれ変わった同社の生産現場を取材した。
技能者の多能工化目指す

今回、新潟工場での一貫生産を可能にしたことで生産効率が向上。1日1便だった前工程と後工程の運搬が自由になったほか、工程間での連絡もスムーズになり、打ち合わせ時間なども大幅に短縮。生産能力は従来に比べ約1割上がった。「これまで以上の受注にも対応できるし、納期も短縮できるようになった」(越智工場長)。
人員の配置転換が容易になったことも生産効率が向上した理由の一つ。リーマや特定用途に特化したカッターなど標準品だけでも3万超のアイテムをそろえる同社。近年は需要が多様化し、「100本以下の少ロット受注が増えている」(越智工場長)。受注状況や生産の進捗度によって工程間の自由な人員移動が可能になったことで、多品種少量の生産体制が強化され、ニーズに柔軟に対応できるようになった。

また、「多能工化や技能伝承などの人材育成がやりやすくなった」(越智工場長)。他工程を経験させることで多能工化が図れるほか、従業員同士の連携もスムーズになり、ベテラン技術者が若手技術者に技能伝承しやすい環境が整いつつある。交流も深まり、「今まで以上に会社として一体感が生まれてきた」(越智工場長)。
拡張した新潟工場は、工程ごと4つの工場に分かれている。第1工場は広神工場の設備をそのまま移設し、前工程を担う。第2工場は工具研削盤などのNC機が並び、全加工を1台で加工できる最新機なども設備。第3工場は円筒研磨機が62台を設備し、刃付け工程を行う。


また、焼入れ工程の内製化も同社の特長の一つ。2014年に熱処理工場を新設し、切削工具の焼入れに適したソルトバス方式の設備を導入。主に短納期の製品の熱処理を手掛けている。また、焼入れ後の歪み取りも1本1本手作業で行うほど、品質には徹底してこだわっている。
毎年、1.5億円の設備投資を行っている同社。「工具メーカーとして、常に最新設備をそろえておく必要がある」(越智工場長)と設備力の強化も重視する。今後は、さらなる生産効率の向上のために既存設備を活かした自動化導入のための投資を進めていく。
「かゆいところに手が届く工具が当社製品の最大の強み。小回りの利く生産体制で、高品質な工具をいかに早く届けるか。今後もこれを追求し、当社にしかできない工具をつくり続けていきたい」(越智工場長)。
会社概要

住所=新潟県魚沼市十日町494‐8小出南部工業団地内
敷地面積=6387㎡
延べ床面積=2205㎡
生産品目=超硬・ハイスリーマ、超硬・ハイスカッター、超硬・ハイスエンドミル、超硬・ハイスドリル
従業員数=67人
日本産機新聞 平成30年(2018年)3月5日号
“二番煎じ”より“ないもの”創る –昨年を振り返って。 チェーンコンベアのオートテンション機構や次世代エアチャック「ウルトラフォース」など、将来を見据えた新製品を相次いで市場投入できたことは大きな成果だ。オー […]
開発型企業としてニッチトップを追究 –足元の事業環境は。 昨夏以降、機械、半導体業界が回復傾向に入り、当社も春先から受注が増加している。製品ではTCGシリーズが好調で、半導体関連での採用が増えてきた。今後も半 […]








