2024年11月22日(金)

障害者採用向け講演会
コノエなど8社が登壇

事例などを紹介

コノエ 河野裕社長
コノエ 河野裕社長
 障害者雇用を促す「障がい者採用(多様性)がクリエイティブな社風を創る!」(主催:ステージケア障がい者就労支援事業部/しんあい高等学校)をテーマとするパネルディスカッションが昨年12月17日、大阪産業創造館(大阪市中央区)で開かれ、パネルディスカッションにネジ商社のコノエなど8社が登壇し、障害者を採用することによる社内改革の成果や現状の課題を討論した。

 コノエの河野裕社長は「障害者も働ける環境を整えることで、健常者も働きやすい環境になる」と話す。同社の法定雇用率は約5%で、ピッキングや経理、品質管理などに従事しており、字の大きさや作業手順の表記方法など工夫を凝らすことで、より働きやすい職場づくりに励んでいる。河野社長は「バリアフリーなど課題は多いが、不自由な部分を少しずつ改善するしかない」とし、さらに雇用率を8%に引き上げる目標を掲げた。

 現在、障害者向け保険や就労継続支援事業所、色覚障害者向けの印刷デザインの開発など、雇用促進に向けた様々な支援・サービスが生まれているが課題も多い。登壇した就労継続支援A型事業所のいま・ここ(大阪府枚方市)は、障害者による業務請負を展開し、データ入力や清掃、ブログ代行、箱詰めなどの業務を代行している。同社の村田直和氏は「課題は企業からの仕事依頼が少ない。A型事業所は1割ほどしか継続できていない」と厳しい一面も。障害者には健常者以上の高い集中力や適性があるので、仕事内容によって大きな力になる可能性もあり、企業が体験など障害者と交流し相互理解を深めることが重要だという。

 厚生労働省によると、平成25年時点の身体や知的障害者数は約788万人で雇用施策対象者(18~64歳の在宅者)は324万人とされるなか、民間企業の法定雇用率達成企業数は平成28年で全体の48.8%と過去最高になり、雇用促進は確実に上向いている。平成30年4月1日から45.5人以上の民間企業は現行の2%から2.2%への改定が決まっており、障害者と向き合い、雇用で企業活動の発展につなげる環境をつくっていくことが多様性のある社会を実現する一歩となる。

日本産機新聞 平成30年(2018年)1月20日号

[ ニュース ][ 日本産機新聞 ][ 機械工具業界の出来事 ] カテゴリの関連記事

【連載企画:イノフィス、次なる戦略②】折原  大吾社長インタビュー
作業や業界に特化した製品開発

イノフィス(東京都新宿区)は今年8月、腰補助用装着型アシストスーツ「マッスルスーツ」の新しいモデル「GS-BACK」を発売した。既存モデルの「Every」に比べ、軽量で動きやすく、これまで以上に幅広い現場での活用が期待さ […]

TONE 本社を河内長野工場に移転

TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]

エヌティーツール 福岡県筑紫野市に九州事務所を開設

ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]

トピックス

関連サイト