2025年11月28日(金)

機械工具商社上場9社の2014年度第1四半期決算

業績回復に力強さ

全社増収、7社増益

★1-表_R

機械工具上場商社の平成27年3月期の第一四半期決算が出そろった。全社合計の売上高は2863億円と対前年同期比で約6%伸びるなど回復が続いている。懸念されていた消費増税の反動によるマイナスの影響も、ユーザー企業の回復や補助金や投資減税の効果で、軽微で済んだ。既に6月以降、工作機械や切削工具では回復の力強さも増している。第二四半期以降も、補助金や投資減税の影響は続いており、卸商各社は通期予想でも増収を見込んでいる。

補助金、投資減税 工具の需要促進

 上場9社の合計の売上高は2863億円と前年同期比で5・9%増えた。営業利益では67億3900万円(対前年同期比20・5%増)、経常利益72億8400万円(同17・6%増)と全体では増収増益を記録した。
期初の段階では、消費増税のマイナス影響を懸念する声も多かったが、第一四半期決算では「想定より少ないマイナス範囲で収まった」とする声が大半だ。自動車をはじめとするユーザー企業の回復に加え、ものづくり補助金と100%減価償却できる設備投資減税も追い風となった。

消費増税の反動わずか

「明らかに補助金絡みとわかる案件を何件か受注できた」(ある工具商社)や「具体的な数字は言えないが、結構な台数を補助金関係で受注できた」(ある工作機械メーカー)という声が多い。実際に、6月以降の回復の数字もそれを裏付ける。
日工会の発表では6月の国内の受注額が426億円を記録した。消費税前の駆け込み需要とみられる昨年11月以来400億円を突破した。超硬工具協会の統計でも、6月の生産額が2008年10月以降初めて200億円を超えた。
このような状況は第二四半期以降も続いている。投資減税の書類申請を受け付ける日工会では、4月以降で3700件以上発行しており「JIMTOF前の手控えまで続く」とみている。ある工具商社幹部も「工作機械投資が動けば工具や治具の受注の拡大につながり、下期以降もマイナスの要素はない」と強気だ。一方で、ある工作機械メーカー幹部は「減税期間に設備投資するのは分かるが、仕事量が確保できているのか注視する必要がある」と懸念の声もある。
ただ、総じて8月以降も堅調で、マイナスの声は少ない。全社合計の通期予想は1兆2630億円と増収を見込むなど、先行きが明るい中で下期を迎えられそうだ。

日本産機新聞 平成26年(2014年)8月25日号

帝国チャック 寺坂  創介社長インタビュー「創業100年の想い」

NC旋盤用チャック、研削盤のダイヤフラムチャック、マシニングセンタのシリンダ内蔵チャックなど最高の機能と品質を持ち併せた特殊仕様『デザインチャック』を手掛ける帝国チャック(大阪府八尾市)は創業100周年を迎えた。自動車を […]

マーポス 画像解析式ツールセッター「VTS」で工具の状態をもっと見える化

繰り返し精度0・2μmで測定 精密金型の加工では、サブミクロン単位の寸法精度が求められる。切削工具の摩耗や刃先状態のわずかな変化が品質に直結するため、工具状態の正確な把握は欠かせない。また近年は、半導体や光学部品、医療機 […]

NKE 小型・軽量×高把持力×省エネを実現する最新エアチャック

自動化ラインやロボット活用に貢献 搬送機器や自動化機器の設計・製造・販売を手掛けるNKE(京都市伏見区、075・924・0653)は業界初となる革新的な二つ爪角型平行エアチャック『UltraForceシリーズ(ウルトラフ […]

トピックス

関連サイト