流通と連携し回収 超硬工具メーカーが、超硬工具の主原料であるタングステンのリサイクルに力を入れている。地政学的リスクに左右されずに安定して生産できる体制が必要と判断。工場を新設したり、商社や販売店と連携しスクラップの回収 […]
リサイクルの仕組みをどう作る? 日本機械工具工業会・佐橋稔之会長に聞く【特集:超硬サプライチェーンを守れ】
国内循環フローの確立が急務
タングステン価格の高騰や調達の難しさは今も続く。その対応策として、国内での超硬工具のリサイクルは欠かせない。日本機械工具工業会では今年5月にリサイクルを推進すべく「改定版リサイクルガイドライン」を発表した。ただ、回収の難しさや再生処理の能力不足など課題も多い。日本機械工具工業会の佐橋稔之会長(住友電気工業常務取締役)に、ガイドライン発行の狙いや、リサイクルを巡る現状や今後について聞いた。

–現状をどう見ているか。
大きく分けて、2つの問題がある。一つは量の問題。日本企業のタングステンの入手が難しくなっている。中国からのタングステンは年初からほとんど入っておらず、物量不足は厳しいままだ。もう一つが価格の問題。中間材料のパラタングステン酸アンモニウム(APT)価格は、中国相場では1000ドル程度に下がっているが、ロンドンの相場は3000ドル付近を推移している。
レアメタルは政治的な影響が大きく、不透明感は強い。中国からの輸入がない日本は3000ドルを「常態」として対応する必要がある。量、価格の問題に対応するためにも国内でのリサイクルは欠かせない。そのために、超硬工具の国内循
環のフロー確立は急務だ。
–その一つとして、5月にリサイクルガイドラインの改定版を出した。
前回(2018年)の改定版から全面刷新したわけではない。変わったのは国内循環を約束しているリサイクル回収事業者のリストを公表したこと。また、リサイクルにつながる回収ができているかを確認できるように「確認票」を作成した。ただ、ガイドラインは指針でしかなく、拘束力がないことが課題である。
また、8月下旬には、アメリカが超硬スクラップの輸出を禁止した。こうした動きは広がる可能性がある。そのため、国内でのリサイクルの機運を高めること、超硬工具ユーザーと回収事業者がリサイクルに取り組みやすい環境を作ることも改定版の狙いだ。
–一方、リサイクル率は4割程度と言われている。課題やその理由は。
まず、切削工具のリサイクルの意識が高くなかったこと。もう一つはリサイクルで先行する家電などとは使用頻度や量が異なるため、物流を含めた仕組みづくりが難しい。価格の問題もある。超硬スクラップ価格は相場に影響されるので、海外の回収事業者と競合する。
加えて、スクラップの再処理能力が不足していることも課題だ。官民挙げて能力向上に努めているが、倍近くに引き上げるには数年かかる。並行してリサイクルの機運を高め、回収のフローを確立しなければいけない。個人的には早い段階で5
割程度には引き上げたい。
–分別も手間だと聞く。
最も大きいのは、回収のどの段階で、誰が分別するのかルール化できていないことだ。メーカー間のルールもバラバラだ。しかも分別作業は基本人手なので、どうしても手間がかかる。分別のルール作りや方法も業
界で取り組むべき課題だ。
–機械工具販売店に期待したいことは。
回収には加工現場に近い販売店の協力が欠かせない。回収のフローにぜひ協力頂きたい。これに尽きる。一方で、我々では思いつかない方法があるかもしれないので、そうしたヒントがあればアドバイス頂きたい。
日本産機新聞2026年9月20日号
タングステンの調達が困難になるなかで、超硬に代わるサービスや製品を推奨する動きも進んでいる。使用済み切削工具を回収し再研磨などをして再び使えるようにしたり、硬さと耐熱性を兼ね備えるサーメット工具を提案したり。タングステン […]
存続会社はタンガロイに タンガロイ(福島県いわき市、0246・36・8501)とNTKカッティングツールズ(愛知県小牧市、0568・76・1270)はこのほど、2027年1月1日付で合併すると発表した。存続会社はタンガロ […]






