2026年7月13日(月)

脆性材・樹脂・ゴム加工を支える15社の注目製品・技術①【特集:成長する脆性材・樹脂・ゴム加工】

昨今、半導体及び半導体製造装置や自動車関連を中心に、セラミックス、石英ガラス、SiCなど脆性材料、樹脂(高機能プラスチックやアクリルなど)、ゴム(ウレタンゴムやフッ素ゴムなど)部品が増加。従来、こうした部品の加工はユーザー独自のノウハウで加工するケースが一般的だったが、加工内容も高度化し、様々な加工課題に直面している。本特集は成長著しい脆性材料、樹脂、ゴム加工に対応し、優れた実績を誇る注目15社の製品・技術を紹介する。

キラ・コーポレーション – グラインディングセンター「GCV-40」

40番加工機をベースに脆性材料に特化したグラインディングセンター「GCV-40」を発売。半導体や光学部品、医療機器など脆性材料への加工需要が高まり、脆性材特有の細かい切粉対策や防錆対応を施した機械を開発。各種セラミックスをはじめ、石英ガラス、サファイア、SiCを、ダイヤモンド電着砥石などでφ1.0㎜以下の多数の微細穴加工及び輪郭加工を可能に。

温度センサで熱変位対策や全軸に分解能0.05μmのリニアスケールを標準装備ほか、CCDカメラによる位置補正、超音波加工に対応するATC可能なホルダー、ボールねじ軸心冷却、ツール振れ検知装置などオプションも充実。同社では石英ガラスにザグリ鏡面加工(Ra0.02μm)やSiC材へのザグリ鏡面加工(Ra0.03μm)の加工事例も披露している。

ブラザー工業 – SPEEDIOシリーズ「U500Xd2」

コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO」シリーズの「U500Xd2」は、治具エリアφ500の高速・高精度の傾斜ロータリーテーブルを搭載(最大積載質量100㎏)。Y/Z軸の移動量拡大で中物ワークの加工や多面加工に対応する。最大28本収納マガジンと併せ、ワンチャッキング加工で工程集約を加速。

さらに、主軸は1万2千回転の標準主軸に加え、最大1万回転の高トルク仕様(92N・m)や高速の2万回転仕様を用意。加工負荷を最適化する制御で、セラミックスやSiC、石英ガラスなど欠けやすい難削材や樹脂に高精度な加工を実現し、専用の機内仕様や特殊なシール構造も組み合わせ、機械トラブルも低減。

オプションで100本工具マガジンや独自パレットチェンジャー「PC-1」で夜間稼働や多品種小ロット生産にも対応。

ワイエス工機 – ダイヤソーマシン「DCV-300SA」

ダイヤソーマシンシリーズは、ガラス・セラミック・カーボン・樹脂などの切断に最適。通常のコンターマシンやバンドソーマシンでは対応の難しい素材や製品の切断が可能だ。宇宙産業・自動車産業・素材・製鉄等様々な製造現場はもちろん、各種教育機関、公官庁など多種多様な分野で導入されている。

テーブルストロークや鋸刃速度の変更、各種スイッチ取付、テーブル素材の変更などユーザーの仕様に合わせたオーダーメイド要求に柔軟に対応し、実績も豊富。汎用機は、卓上型(切断能力〔高さ×奥行〕=110×350㎜と160×500㎜)と、据置型(同=200×300㎜【写真】、300×400㎜、400×500㎜)を用意。

今後もより安全に配慮した製品ラインナップの充実を図っていく。

イワタツール -「ドリルミル」

ヘリカル加工の性能を大幅に向上したエンドミル『ドリルミル』は剛性の低い薄板板金への穴あけを目的に開発。アルミの高速・高品質な加工からアクリルの透明・鏡面加工、樹脂の小径穴加工の用途も開発している。

特長は独自の底刃形状で切削抵抗を大幅に低減し、内部給油で冷却効果と切くずの排出性を向上させたことで切粉トラブル回避、切削速度の向上、工具の長寿命化を実現。

これにより剛性の低いワークや加工機(5軸加工機や卓上NCフライスなど)に対応し、従来ヘリカル穴加工の5~15倍の高速加工を実現。複数の異なる穴径の加工や溝加工、側面加工も1本の工具に集約、工具本数や交換頻度の削減も可能。

標準品は1.5Dがφ3~25、3D・5Dはφ2~16で、オイルホール無しや鉄・ステンレス向けの開発も進めている。

栄工舎 – 樹脂用リーマ「CSOER-Re」、樹脂用カッター「CSMO-Re」

樹脂用リーマ「CSOER-Re」は、3枚刃・右ネジレ30°の強スクイ角設計により、切削抵抗を最小限に抑える。樹脂加工で課題となるむしれやびびりの発生を抑制し、穴加工の精度向上やアクリル材の濁り防止に貢献する。また、3穴オイルホールを採用し、止穴加工時の熱発生を抑えるとともに、切粉排出性も高めた。工具径はφ3〜12までの10タイプ(186寸法)をラインアップする。

樹脂用カッター「CSMO-Re」も強スクイ角を採用し、優れた切削性能を実現した。アクリルをはじめ、MCナイロン、ジュラコン(POM)、塩ビ(PVC)、PEEKなど幅広い樹脂材料に対応する。製品は、超硬スーパーミニスロット、超硬スーパーミニアンギュラー、超硬スーパーミニWアンギュラー、超硬スーパーミニキーシードの4タイプを用意している。

オーエスジー – 硬脆材用加工工具「6C×OSG」、スーパーエンプラ用DLC超硬エンドミル「SEP-EL」

「6C×OSG」(写真)は、超硬合金やセラミックス、石英ガラスなど硬脆材の加工において放電加工、研削加工から「切削加工」に変えることで加工時間を削減し、加工コストを大幅に低減する。用途に合わせて35アイテムを用意している。

「SEP-EL」は、樹脂加工に最適化された溝形状と切れ味を重視した刃先仕様で、樹脂の微細な形状、厳しい要求精度に対応する。厚膜のDLC-IGUSSコーティングは、刃先の摩耗を抑制し、耐溶着性に優れる。3枚刃仕様(φ1以上)で高能率加工を実現する。耐熱性と高い機械的強度を併せ持つスーパーエンプラなど幅広い樹脂加工で高い耐久性と良好な加工精度の両立を実現する。ピンカドタイプで、3D、5Dの2種類の刃長。外径φ0.5~φ6の計12アイテムを用意。

オーエスジーダイヤモンドツール – 脆性材及び樹脂加工向けダイヤモンド工具標準品「N-Brand」

「N-Brand」は、高精度かつ鏡面加工が実現できるダイヤモンド工具の標準品。特に単結晶ダイヤの標準品を多く取り揃えているメーカーは他に無い。標準化により納期短縮も実現している。

脆性材穴加工に特化した「N-Micro Drill」、樹脂穴あけ切削において鏡面加工かつ長寿命を実現する「N-Drill-MCD」、樹脂内外径溝入れ切削において鏡面加工かつ長寿命を実現する「N-Groove/N-Groove-Mini」などを取り揃え、標準品は6月から31アイテムとなった。

製品精度が従来以上に高まる中、脆性材加工を切削に置き換える事により、切削速度の向上と製品精度維持を可能にする。樹脂加工においては切削だけで鏡面加工が実現できる単結晶ダイヤモンドの標準ラインナップを豊富に取り揃えている。

兼房 – PCD強ねじれエンドミル「SFエンドミル」

PCDエンドミルと超硬ねじれエンドミルのメリットを兼ね備え、PCDすくい面加工技術とボディ設計の最適化で長刃長かつ強ねじれの形状をPCD刃で実現。強ねじれ化により高い切削性能で面粗度や形状精度の向上、刃具の長寿命化でダウンタイム削減に貢献。

超硬半焼結材料やグラファイトなど脆性材料は切削抵抗を下げエッジの欠けを抑制しつつPCDで刃具寿命を向上。樹脂はPCDの高い熱伝導率で加工点に切削時の熱を残さず、高品質な加工面と長寿命化を両立。

今後も硬脆性材料やエンプラ向けに最適な刃先諸角度を提案できる基礎研究や開発を進め、新たな被削材に対応する刃物の開発を継続している。

日本産機新聞2026年7月5日号

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