2026年7月13日(月)

「ゴムは生き物」ゴム加工・モリテックの取り組み【特集:成長する脆性材・樹脂・ゴム加工】

機械加工×手技で難削材に挑む技術集団

ゴム製品の成形といえば金型を使ったものが一般的だ。しかしモリテックは、60年以上にわたってゴムの切削加工を手掛けてきた。機械加工と熟練工の手技を融合し、多品種少量生産や短納期のニーズに応えている。

ゴムを素材から直接削り出す最大の利点は金型が不要になること。試作や少量生産では金型製作にかかるコストや期間を削減でき、リードタイムの短縮にもつながる。

ただ、ゴムは削るのが難しい。素材がたわむため、チャッキングしても逃げやすく、切削熱による変形や焼けも発生しやすい。バリ処理も難しく、工具の摩耗は早い。金属加工の道理が通じない難削材と言える。

森康秀製造本部長は、この特性を踏まえて「ゴムは生き物」と表現する。

これらの課題に対し、同社は機械加工と職人技を組み合わせたハイブリッドな生産体制で対応している。

ウレタンゴムの切削加工(上)、卓上旋盤による手加工での作業風景(下)

手作業では卓上旋盤を使い、ろくろの要領で回転するワークに刃物を当てて加工する。機械加工だけでは整えることが難しい箇所も、職人の感覚と技術で追い込んでいく。

「機械だけで加工が完結する仕事は1割もない。必ずどこかで人の手が介在する」と森製造本部長。

切削や研磨に使用する工具や治具のほとんどは内製品。市販工具も刃先形状をゴムの特性に合わせて調整し、加工精度の向上につなげている。

長年の経験で培った材料知識も強みだ。同社では100種類以上のゴム素材を取り揃え、それぞれの硬度や熱変形特性に応じて加工条件を最適化している。

素材に加え、形状や寸法条件も組み合わさるため、膨大な加工ノウハウを蓄積。高精度なゴム加工品を実現し、薄肉や複雑形状の部品にも対応する。

穴加工や薄肉・複雑形状も精度良く短納期で仕上げる

そうして完成したワークはあまりの精緻さから成形品と見間違うほど。

新開雅代戦略企画部長は、「展示会に出展してもワークのサンプルが金型成形と間違われるので、毎回『これは切削加工です』と説明することになる」と笑う。

近年は半導体関連や医療機器など、厳しい精度が求められる分野からも注目を集めているという。

技術と知識に加え、東名阪に3つの拠点を構えて300人の従業員を擁する層の厚さも競争力の源泉だ。

そんなモリテックが今掲げるのは「100年継続企業」。ニッチな市場で存在感を高める技術集団は今日から100年、明日になれば明日からまた100年を目指し未来に向かって突き進む。

会社概要

本  社: 大阪府大阪市港区弁天1-2-21 大阪ベイタワーオフィス15階

電  話: 06・6573・5683

代表者: 森孝裕社長

創  業: 1961年

従業員: 300人

事業内容: 工業用ゴム製品の加工・販売。

日本産機新聞2026年7月5日号

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