2026年10月11日(日)

「技術で革新を作る」脆性材加工・トップ精工の取り組み【特集:成長する脆性材・樹脂・ゴム加工】

工具や治具も自社設計

「他社では加工が困難なセラミックスや石英ガラスなど難加工に取り組み、最適な工具・治具設計から加工条件まで確立しつつある」と語るのは中川翔太社長。2001年の設立以来、脆性材料の精密加工に特化し、マシニングセンタ(3軸・5軸)や研削盤など140台以上を保有。半導体や航空宇宙、医療、原子力など幅広い産業の加工課題に応えている。

同社が得意とするのはアルミナ、窒化アルミ、炭化ケイ素、石英ガラス、複合材(SiSiC)ほか、タングステン、モリブデン、タンタルに、穴、溝、ザグリ、形状、外形、内径、研磨、凹凸などの加工を行う。

脆性材料は一般的な金属材料に比べ硬くて脆く、加工した切屑は粉状になり切粉の排出性も悪い。そのため、使用する工具は自社デザインも多く、材質に応じて砥粒の大きさやボンドの種類を変更。その数は数千種類に及び、加工用の治具も自社製と確固たるノウハウを確立。加工が難しい深穴加工も自社設計の砥石で切粉捌けが良く、加工条件も標準化し、高い歩留まりを実現している。

脆性材などに穴、溝、形状など超精密な加工を施す

代表的な加工事例は、半導体製造装置に使用されるバキュームチャックや装置部材向けの小径・多数穴加工や深穴加工だ。「脆性材料はハンマーで表層を少しずつ叩きながら加工するイメージで、材質によって加工条件も様々」とし、長時間加工が必然。ある案件では2~3週間ほど連続加工した事例もあるという。

そのため、どれくらいで工具摩耗するかをデータ化し、機上測定や機械の負荷監視システムを使い細かな交換閾値を設定。「粗加工であらかじめ取り代を残し、最後の仕上げで精度を出すようなノウハウもある」と語り、案件によっては月100~数千個を生産。

直近は半導体製造の後工程に使用する大型ステージなど冷却に使用する部材の製造依頼も増加している。

需要高まる大型ワークの加工に対応

同社は5年前から新たに熱拡散接合の研究を開始。溝加工した複数枚のセラミックス素材を重ね、熱と加圧で一体化させることで中空構造化に成功。同社取り扱い素材の熱拡散接合で顧客からの評価も高く、試作案件も年々増加しており、変化に対応するための先行投資を続ける。

「半導体市場は2030年まで需要増加の一途。設備増強に加え、今後は超精密加工や新工場建設を視野に、ニッチトップ企業を目指す」と中川社長は高い加工技術を軸に挑戦を続けていく。

会社概要

本  社:滋賀県長浜市細江町1197-4

電  話:0749・51・9021

代表者:中川翔太社長

設  立:2001年

従業員:153人

事業内容: 各種セラミックスやガラスなど脆性材料の製造・販売、タングステンやモリブデンなど高融点金属製品の製造。

日本産機新聞2026年7月5日号

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