2026年2月26日(木)

部下の能力を引き出す【現場考】

業界を超え複数の世界観

社会の変化とともに時代に合わなくなる言葉がある。「管理職」はそのひとつではないだろうか。人から成る組織、言い換えれば組織で働く人を管理する。「管理という言葉は統制や制御という意味合いを持つ。その責任者という呼び名は時代とマッチしない」。ある商社の社長はそう指摘する。

経済が成長し、需要が増え、それに伴い会社の組織も大きくなる。高度成長期は、ピラミッド型の組織を統率する力が組織の責任者に求められた。人の働きを管理することが、拡大する組織を効率良く運営する方法であり成果を出しやすい方法だったからだ。

ところが今は低成長、もしくは市場は縮小している。多くの商社や販売店が目指すのは得意分野を生かす事業展開。ストロングポイントを見つめ直し、それを最も発揮できる市場に効果的な取り組みを展開する。これまでの常識にとらわれない発想力や行動力でチャレンジする。

組織のリーダーに求められるのは人を「管理する力」ではなく「能力を引き出す力」。特性や能力をとらえ、ときには潜在する能力を引き出す。それを事業活動において最も発揮できる役割に抜擢する。「管理職」よりも、能力を引き出す役割の「コーチ」などの呼び名がふさわしい。

そのために重要なのが、複数の世界観を持っていること。世界観が「機械工具」や「仕事」だけだと、どうしても自分の経験が自らの範となる。人の能力や個性、活動による成果、次の展開を判断するうえでその小さな枠縛られる。独創性や躍動感に限りがある。

世界観はどのようなものでも良い。機械工具ではない業界、趣味、習い事、ボランティア、海外旅行…。いくつかの世界の常識や習慣、ルール、性質などを体験して知り、感じる。その世界観が人の多種多様な能力を見出し、また創造性や躍動感に富む事業展開を生み出すだろう。

日本産機新聞 2025年8月5日号

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