2026年11月3日(火)

年頭所感 −テヅカ 社長 三橋 誠−「お見舞い」の心忘れず

「お見舞い」の心忘れず

 大昔から日本人は、病気に掛かったり災難にあった人を訪れて慰めたり、書面で安否を気遣うなど、心配りを忘れませんでした。これは病気も自然災害も避けようがなく、「運が悪かったですね。でも私たちは貴方の事を心に掛けていますよ」と言う慈愛の精神からくるものでした。この行為は「お見舞い」と言われ、季節の挨拶代わりに「暑中お見舞い」、「寒中お見舞い」などでも使われ、日本人の心の中に遍く知られていました。

 2020年、人々は得体の知れない新たな感染症であるコロナの蔓延に恐れ慄き、薬もワクチンも無い事から只々隠遁生活を強いられました。「出掛ける時だけでなく家の中でもマスクをしろ」、「密接にならないよう人との距離を保て」など、今まで周りとの融合こそが社会の一員で有ると考えてきた我々の存在を、根底から覆す環境変化が起こりました。このストレスからか、不幸にもコロナに罹った人に「お見舞いする」事態が多々起こりました。この「お見舞い」は上記の慈愛からくるものでは無く、相手にとって不利益な事、ダメージになる事を、相手に思い知らせるために行う事で、「一発食らわせる」などとも同意語に成ります。このご時世にコロナに罹り、苦しんでいる人に追い打ちをかけるような言動が各地でも見られ、それによって家族ごと転居しなければならなくなったり、仕事や学校も替えたり、人生にまで大きな影響を与える事に成りました。もしかすると三密を守らない行為が有ったかもしれませんが、患者本人もコロナに罹りたくて罹った訳では無く、感染経路が掴めない人たちも多数いる事から、誰にでもこの病気に罹る可能性が有ります。その時に回りの人々から「お見舞い」されるのか、「一発お見舞いする」を受けるのかは、大きな違いと成ります。

 コロナがいつまで蔓延し、いつ収束するのか分らない2021年ですが、慈愛の「お見舞い」の心を忘れる事なく過ごしたいものです。

日本産機新聞 2021年1月20日

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