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中川金属を子会社化 −ユアサ商事–
ユアサ商事は切削工具の販売を主力とする中川金属(東京都千代田区、立岩寛子社長)を12月1日、子会社化した。中川金属は自動車や建機など大手ユーザーに強い。ユアサ商事の幅広い商品力を活用し、販売強化につなげる狙い。5年ほどかけて、中川金属の売上高を4割増の80億円まで引き上げる。
相乗効果で成長目指す
ユアサ商事は立岩社長ら創業家から全株式を取得した。取得額は明らかにしていない。ユアサ商事から取締役3人を派遣し、立岩社長は退任する。会長には機械エンジニアリング本部長の佐古本晴彦取締役、社長には工具畑で海外経験が豊富な相沢慶明氏(前ユアサベトナム会長)、常務取締役に横溝勝己氏(前機械エンジニアリング本部副本部長)を派遣した。
中川金属は1949年の創業。切削工具の販売が主力で、大手自動車メーカーや建設機械メーカーに強く、全国に11か所の拠点を持つ。直需代理店として、タンガロイなど直接取引する工具メーカーも多い。また、千葉や茨城をエリアとする永井産業(千葉県市原市)を子会社に持ち、両社合わせた20年3月期の売上高は約57億円。
中川金属はユアサ商事の幅広い取り扱い商材を活用し、既存のユーザーに対しワンストップで課題解決する体制を強化していく考えで、26年をめどに現在の4割増の80億円の売上高をめざす。
ユアサ商事と中川金属は取引額こそ多くないが、ユアサ商事の販売先の組織「やまずみ会」を通じ、40年以上にわたり、良好な関係にあった。ユアサ商事は事業運営や業界の将来について相談を受けていた。
機械工具業界を取り巻く環境は不透明感が増している。昨年からの米中貿易摩擦に加え、コロナ禍による景気低迷、自動車の電動化による工具需要の減少など、先が見通しづらい状況にある。中川金属はこうした状況を踏まえ、自社単独での事業拡大よりも、ユアサ商事のグループに入るほうが持続的な成長につながると判断した。
日本産機新聞 2020年12月20日
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