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生産現場を訪ねて MSTコーポレーション
百聞は一見に如かずと言う。ツーリングのMSTコーポレーション(溝口春機社長)が、昨年夏過ぎ、長時間無人加工と奇抜なデザインを取り入れた、まさに「一見」に値する新工場を完成させ、本格稼働に入った。これまで、新工場を訪問した代理店、機械卸商、販売店の第一線セールスマンはじめ工作機械メーカー技術者、ユーザーは、約1300人。口コミによる訪問者に同社は反響の大きさに驚いている。

無人運転、斬新なデザイン
新工場は、既存工場の東、元野球グランドのあった土地に建つ。
そこは市街化調整区域。「隣接地の事業者に限り、事業の効率化・近代化を図る工場は建設を認められる」という都市計画法の緩和規定を活用し、同社は地続きの土地を入手した。
敷地面積は、1万5800㎡。既存工場を含めると2.3倍に拡大した。新工場の床面積は4900㎡。同様に1.5倍のスペースとなった。長方形の鉄筋コンクリート1階建て新工場は、建物には柱がなく、しかも無窓。明かりは工場中央の空間の庭から自然光を取り入れている。

最大の特長は、次世代製造業を見据えた長時間無人運転の生産現場と斬新なデザインや色を取り入れ、「製造業のイメージを塗り替えた」ところ。
斬新さに一つ、工場と工場の繋ぎのところに百合の花のように咲いた真っ白なテント風のオブジェがある。熱処理前の加工物をトラックに載せる、材料を供給する作業所として使っている空間の屋根。同社を訪問する多くの人がオブジェを指差して、「あれは何ですか」と、尋ねるほど強烈な印象を与える。
新工場は、旋削、フライス加工の工場と複合加工機、5軸加工機の無人化工場、技術部のオフィスからなる。
無人化工場は、長時間無人稼働を実現するためロボトレーラーによる自動搬送システムとクーラント自動供給システムを導入し、複合加工機と5軸加工機の利用拡大を図った。
設備機械は、複合加工機/5軸加工機合わせて15台。
迷彩色のロボトレーラーは、工場の2辺に設けられた5/6段仕様のパレットヤードと複合加工機の間を担う自動搬送車で、機械に素材を運ぶ、加工後は完成品を棚に戻す、チップバケットに切り屑が溜まれば、機械まで取りに行き、棚に切り屑を運ぶ役割を演じる。
パレットは、例えばBT50の素材であれば24個を運ぶことができる。
特長はそれだけでない。切削加工設備での集中クーラント管理システムは、切粉に関わるトラブルを解消する為、自動と手動を組み合せた独自のシステムを導入している。クーラントの自動供給により、液量や濃度を管理し、機内清掃による腐敗対策、クーラントタンクの清掃や廃液処理は手動で行い、確実なシステムの稼働と工場内環境の改善の両立を図っている。
また、温度、湿度、クリーン化対応としてオイルミストは、機械から直接排気するが、エアコンの吸い込み口を内気だけでなく、外気にも設けて、工場内環境に配慮しながら効率化を計っている。

斬新なデザインはここにもある。工場の壁の一辺に色とりどりの丸い円やモザイクが描かれている。一見、岡本太郎画伯を思わせるデザインは、円形がホルダーを意味し、大小の7色の輪がグローバル化を進める同社が7つの地域に進出する未来像を表しているそうだ。
また、3階の技術部のオフィスは、朱色の床に高窓から望む木々が映え絶妙のコントラストを生みだしている。
さらに建物の外には、グラファイト工場から排出されるグラファイト材の山が作られ、庭を成している。山は、同社の創業の地、福岡県のボタ山を模ったと言うオブジェという。
無人化と斬新なデザイン、21世紀型工場は「一見に如かず」だった。なお、2014年度販売高は、前年度比160%と過去最高となった。
取締役営業部長の弓場隆氏は「新工場の本格稼働に伴い、さらなる生産効率を高め、納期短縮を図り、お客様のご要望にお応えしたい。また、生産量を増すのを目的とするのでなく、グローバル化に対応したコストダウンと短納期対応、環境整備、品質向上を一段と強める」と、新工場の本格稼働に力を入れる。
日本産機新聞 平成27年(2015年)8月5日号
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