段取り短縮・自動化で生産性向上 バイスやチャック、クランプなどのワーク保持具は高精度加工や加工品質を安定させる上で欠かせない要素の一つ。加工現場で人手不足が深刻化する中、ワーク保持具も確実に固定するだけでなく、より段取り […]
【特集:機械工具業界のDX】PART4/ユアサ商事 加工環境ソリューション
人手不足、働き方改革、高まる品質要求、生産性向上によるコストダウンなど、厳しさを増す製造現場の課題。これらの解決策として、DXは欠かすことができない存在になりつつある。デジタル化によって、生産性や品質を向上させたり、働き方改革を実現したり、人手不足を解消したり、競争力を高めたり。では、機械工具商社はどのような切り口から、DXの提案を進めているのか。積極的に提案を進める商社3社の取り組みから、DXの提案に必要なものを探った。
加工液の最適化から始まる

クーラント供給の仕組み
DXとカーボンニュートラル提案

マイクロファインバブル発生装置
ユアサ商事は加工環境の改善というDX提案を強化している。一連の取り組みを「加工環境ソリューション」と題し、クーラントの最適化から工具摩耗管理、将来はAIを活用したスマートファクトリー化につなげる考えだ。
「現場の改善は加工液の一滴から始まる」—。DX提案を担う市場開発部の金山久樹部長はそう話す。その意図は「クーラントをきれいに保たないと加工は安定せず、スマートファクトリー化は難しい」からだ。
そのために同社では、加工条件や工具寿命を延ばせるマイクロファインバブル発生装置「バブパワー」を開発。加えて、微細スラッジをろ過し、微細気泡を安定発生させるため、商社の「つなぐ」機能を活かし、2社の仕入先と協業。競合するサンメンテナンス工機(名古屋市)と濾過精工(東京都中央区)が協力し、安定したクーラントを供給できる仕組みを構築した。現在はクーラント液の効能を監視する劣化チェッカーも開発中だ。
第二段階として、現在取り組むのがセンシング技術の強化だ。「例えば100穴の加工をする場合。80穴でダメになる工具もあれば120穴加工できるなど『個体差』がある。工具摩耗を監視できれば工具の性能を最大限に活かせる」(金山部長)。半導体需要増で注目される、セラミックなどに絞り「脆性材プロジェクト」を立ち上げ、工具摩耗を「見える化」する仕組みを構築中だ。
ここでも「つなぐ」機能を発揮。ジェイ・シー・シー(神戸市)の設備予兆で使われてきた高周波AEセンサを活かし、高度な工具摩耗計測を進める。他にもレニショー(東京都新宿区)や、KMC(川崎市)、アクシズエンジニアリング(東京都日野市)、さらにツガミ(東京都中央区)の協力を得て、脆性材の加工で使われる電着工具の摩耗監視を進めている。
その先に狙うのが加工条件の最適化だ。集めた様々なデータをグループ企業のAIベンチャーconnectome.design社(東京都千代田区)で解析。常に最適な加工条件をフィードバックさせる仕組みを構築したいという。そして、将来的には「日本の製造業を変革させる商社を目指したい」(金山部長)。
日本産機新聞 2022年10月20日
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