2026年4月23日(木)

【特集:機械工具業界のDX】PART4/ユアサ商事 加工環境ソリューション

人手不足、働き方改革、高まる品質要求、生産性向上によるコストダウンなど、厳しさを増す製造現場の課題。これらの解決策として、DXは欠かすことができない存在になりつつある。デジタル化によって、生産性や品質を向上させたり、働き方改革を実現したり、人手不足を解消したり、競争力を高めたり。では、機械工具商社はどのような切り口から、DXの提案を進めているのか。積極的に提案を進める商社3社の取り組みから、DXの提案に必要なものを探った。

加工液の最適化から始まる

メーカー同士をつないだ安定した
 クーラント供給の仕組み

DXとカーボンニュートラル提案

開発した
マイクロファインバブル発生装置

ユアサ商事は加工環境の改善というDX提案を強化している。一連の取り組みを「加工環境ソリューション」と題し、クーラントの最適化から工具摩耗管理、将来はAIを活用したスマートファクトリー化につなげる考えだ。

「現場の改善は加工液の一滴から始まる」—。DX提案を担う市場開発部の金山久樹部長はそう話す。その意図は「クーラントをきれいに保たないと加工は安定せず、スマートファクトリー化は難しい」からだ。

そのために同社では、加工条件や工具寿命を延ばせるマイクロファインバブル発生装置「バブパワー」を開発。加えて、微細スラッジをろ過し、微細気泡を安定発生させるため、商社の「つなぐ」機能を活かし、2社の仕入先と協業。競合するサンメンテナンス工機(名古屋市)と濾過精工(東京都中央区)が協力し、安定したクーラントを供給できる仕組みを構築した。現在はクーラント液の効能を監視する劣化チェッカーも開発中だ。

第二段階として、現在取り組むのがセンシング技術の強化だ。「例えば100穴の加工をする場合。80穴でダメになる工具もあれば120穴加工できるなど『個体差』がある。工具摩耗を監視できれば工具の性能を最大限に活かせる」(金山部長)。半導体需要増で注目される、セラミックなどに絞り「脆性材プロジェクト」を立ち上げ、工具摩耗を「見える化」する仕組みを構築中だ。

ここでも「つなぐ」機能を発揮。ジェイ・シー・シー(神戸市)の設備予兆で使われてきた高周波AEセンサを活かし、高度な工具摩耗計測を進める。他にもレニショー(東京都新宿区)や、KMC(川崎市)、アクシズエンジニアリング(東京都日野市)、さらにツガミ(東京都中央区)の協力を得て、脆性材の加工で使われる電着工具の摩耗監視を進めている。

その先に狙うのが加工条件の最適化だ。集めた様々なデータをグループ企業のAIベンチャーconnectome.design社(東京都千代田区)で解析。常に最適な加工条件をフィードバックさせる仕組みを構築したいという。そして、将来的には「日本の製造業を変革させる商社を目指したい」(金山部長)。

日本産機新聞 2022年10月20日

[ 日本産機新聞 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

DMG森精機と東京大学が研究センターを設立、工作機械の技術研究や人材育成に産学連携で注力

DMG森精機と東京大学は4月、東京大学の大学院工学系研究科内に「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)」を開設した。MXセンターは、工作機械の価値を将来にわたり高める研究を行い、技術革新を生み出 […]

山善、INSOL-HIGHら「J-HRTI」発足、ヒト型ロボの社会実装目指す

7月にはデータ収集センターも設立 山善(大阪市西区)とINSOL‐HIGH(東京都千代田)、ツムラ(東京都港区)、レオン自動機(栃木県宇都宮市)はこのほど、ヒューマノイドロボット(ヒト型ロボット)の社会実装に向けたコンソ […]

自動化システムの祭典 ロボットテクノロジージャパンが開幕へ 4万5000人の来場見込む

6月11日から13日の3日間、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)にて開催されるロボットテクノロジージャパン2026の主催者であるニュースダイジェスト社は出展者説明会を開き、出展者数が265社・団体、小間数1 […]

トピックス

関連サイト