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切削工具の値上げ相次ぐ
材料価格や物流費が上昇
切削工具の値上げが10月から相次ぐ。主原材料であるタングステンやコバルトなどの材料価格が高騰している他、電力費や物流費などが上がっているためだ。今後、値上げ前の駆け込み需要などが見られそうだ。
三菱マテリアルは10月1日受注分から超硬製品とCBN・PCD製品を10%、ハイス製品を5~25%、超硬素材を使用しないホルダなどを10%値上げする。子会社のMOLDINOも10月3日受注分からエンドミルや刃先交換式工具などの超硬製品約1万500アイテムの価格を5~20%ほど引き上げる。
IMCグループのイスカルジャパンとタンガロイも10月1日受注分から価格を改定する。イスカルジャパンは切削工具全般を10%値上げし、タンガロイは刃先交換式工具や丸物工具などの切削工具を8%値上げする。
イスカルジャパンの他、10%ほど価格を引き上げるのが、京セラ、サンドビック、ダイジェット工業だ。3社とも10月1日受注分から価格改定を行い、京セラは全製品、サンドビックは切削工具などの製品・サービス、ダイジェット工業は切削工具の標準品や特殊品を値上げする。また、ダイジェット工業は切削工具の他にも耐摩工具を20%、合金素材の標準品を10%、特殊品を15%以上現行価格から引き上げる。
要因の一つが原材料価格の高騰だ。超硬製品の主原材料であるタングステンやコバルトが世界的な需要の高まりによって価格高騰が続いている他、ホルダの材料となる鋼材価格なども上昇している。加えて、原油価格の高騰などによる電力費や副資材費なども上がっている。
また、半導体を始めとした部品不足、物流費の高騰など様々なリスクによって先行きへの不透明感が増していることも値上げの背景にはあるようだ。すでに住友電工やオーエスジー、不二越などは先行して値上げに踏み切っている。
今後は値上げ前の駆け込み需要が見込まれる。あるメーカーは「8月、9月にかけて駆け込み需要が発生するだろう」とみている。
日本産機新聞 2022年8月5日
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