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ブラザー工業 工作機械の新モデルを追加
割り出し加工を可能に
ブラザー工業は新たにEV市場や変種変量生産に対応するユニバーサルコンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO U500Xd1(Uシリーズ)」を発売した。同機種はシリーズ初となる加工室にφ500の傾斜ロータリーテーブルを搭載し、5軸の割り出し加工を実現したほか、収納可能な工具本数を最大28本にし、ユーザーの様々な加工ニーズに対応する。
同機種はギアボックスやモータケースなど大型化が進むEV向けの複雑形状なアルミ部品を想定し、中物ワークの多面加工を実現するため、φ500×H270(最大積載質量100㎏)の旋回が可能な傾斜ロータリーテーブルを搭載、広い加工エリアを維持しながら割り出し加工など多面加工を実現。さらに、部品の複雑化で加工の種類も増えているニーズも捉え、工具搭載本数を最大28本(オプション)で用意し、最大工具質量も従来の3㎏から4㎏にしたことで工具選定の幅を広げ、ワンクランプで様々な加工に対応でき、治具交換が不要で、工程集約や加工精度向上が期待できる。
さらに、高速・高効率に特化し開発されているSPEEDIOシリーズは加工スピードが速く、高生産性を実現するため、1個あたりの部品を加工する消費電力が少なく、一般的なマシニングセンタに比べ、消費電力80%(同社調べ)削減できるなど、カーボンニュートラルにも貢献する。
また、高生産性向けの「SPEEDIO Sシリーズ」やパレットチェンジャー搭載の「SPEEDIO Rシリーズ」のモデルチェンジを図り、ツール交換時間の短縮やパレット交換時間を短縮。加えて、全機種でクーラントスルースピンドルの最大吐出圧力を7Mpaに展開し、さらなる高生産性や従来では難しかった深穴加工などに対応。
Uシリーズ、Sシリーズ、Rシリーズともに最新CNC装置「CNC‐D00」を搭載。タッチパネル15インチ液晶を搭載し、直感的な操作を実現したほか、操作起点となるホーム画面を新設し、消費電力や稼働率といった生産に関連する情報を見える化するサポートアプリ搭載など使いやすさを高めている。
同社は工作機械などを有する産業機器事業の大幅な成長を目指す中期戦略「CS B2024」を発表。強みである高生産性や省エネ性能の追求やデジタル技術など強化し、日本や中国ほか、インドなどグローバルで販売強化を進める。また、EV部品が増える自動車産業や半導体など一般機械市場への拡販を図り、24年度に売上収益1000億円を目指す。常務執行役員の星真氏は「受注を増やす施策を進めている。当社機械が適合するEV部品を紹介したカタログを用意し、加工事例など分かりやすく紹介することでユーザーへの訴求を強化する」と語った。
日本産機新聞 2022年7月1日
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