2022年8月16日(火)

【Innovation!】BCP対策商品

地震大国の日本では、2021年に最大震度5弱以上の地震が10回、それ未満の震度は数えきれないほどに起こっている。また台風による水害なども多い。生産活動を止められないユーザーとって、BCP対策の重要性は揺らぐことがないだろう。単なる防災ではなく事業継続を主眼とするBCP対策では、作業者の身の安全を確保することや二次災害の防止に加え、設備の素早い復旧が必要となる。ここでは、非常時の安全確保や復旧作業に役立つ7つの製品を紹介する。

PART1:浅香工業「突然の地震から人命守る」
PART2:嵯峨電機工業「耐衝撃性、防雨性に優れる」
PART3:新コスモス電機「可燃性ガスなど検知」
PART4:ダイキ「必要な工具をセット」
PART5:DICプラスチック「高い収納性、携帯性」
PART6:ハタヤリミテッド「USBポートを新たに追加」
PART7:北越工業「電気の安定供給を実現」

PART1

浅香工業「突然の地震から人命守る」

倉庫・工場内一時退避ボックス「イエローボックス」

一時避難ボックス「イエローボックス」は、工場や倉庫内に設置することで、突然の地震の際に落下物から人命を守る避難スペースだ。

工場や倉庫内で地震が発生した場合、高所から重量物が落ちてくる危険がある。イエローボックスは、屋根の接合部には耐衝撃性に優れたハイテンボルトを使用しており、3tのおもりを3mの高さから本体の天井面に落下させる衝撃試験を行った場合でも、ボックス形状を維持できる強度を持つ。横壁部分には50㎜角の金網で飛散物を防ぐほか、床部分はシマ網板張りですべりを防止。ボックス内には手すりを設置し、転倒を防ぐなど、落下物以外の危険も排除する。作業者がすぐに避難しやすいよう出入り口のバーは可倒式で、慌てていても簡単に避難ができる。収容可能人数は6名(目安)。

サポートラック1台分のスペースで設置でき、フォークリフトやホイストで簡単に移動させられるため、工場、倉庫内のどこにでも設置が可能。設置場所のスペースに合わせて1台からオーダーサイズで製作できる。

PART2

嵯峨電機工業「耐衝撃性、防雨性に優れる」

非常防災用照明「ストロングライトLED」

「ストロングライトLED」は非常防災用照明として開発された製品。強力な外筒カバー(ポリカーネット厚さ2.00㎜)と直管型LEDの組合せによる特殊構造で、耐衝撃性、防雨性に優れ、電源の周波数(50Hz、60Hz)に関係なく使用できる。

外面に金属を使用していないため、錆びることがないのも特長。また、軽量で運搬や取り扱いが楽な他、15台まで連結して使用することも可能。加えて、LEDのため消費電力が少なく、小型の発電機でも対応できる。

主な用途は仮設テント用照明や災害支援時の照明、各種作業時の補助照明。避難所や各種イベントなどにも最適で、全国の各区役所や自衛隊などでも備蓄されている。

オプションも豊富にラインアップする。フックホルダや専用吊り下げベルト、マグネットホルダなどと組み合わせることで幅広い用途に対応可能。また、オプションと本体をセットにした「ストロングライトLED非常用防災セット」も販売している。「非常用防災照明を多く取揃えていますので、ぜひお問い合わせください」(尾曽秀幸社長)。

PART3

新コスモス電機「可燃性ガスなど検知」

携帯用ガス検知器「コスモテクター XP-3000Ⅱシリーズ」

可燃性ガスや酸素の濃度を測定する携帯用ガス検知器で、ppmからLELまで1台で検知できる。各種工場をはじめ、タンク内、マンホール内、トンネルといった地下工事現場などガスを扱う様々な作業現場の安全確保や作業員の安全確認に使用できる。

主な特長は①低濃度(ppm)と爆発危険濃度(%LEL)の表示を切り替えて検知できるワイドレンジモデルで、これまで高感度検知用ではスケールオーバーしてしまう場合、爆発危険濃度検知用に持ち替える必要があったが、同製品は1台で幅広い範囲の検知に対応②本体にBluetoothを搭載し、専用アプリによる位置情報、リアルタイム濃度、トレンドグラフの確認ができ、ガス警報時に自動送信メール設定も可能③エラストマカバーを標準装備し、耐衝撃性を大幅に向上。保護等級はIP67相当の防水・防塵構造となっている。

寸法は約W91×H164×D44㎜、質量は約460g(電池含む)、電源は単3形アルカリ乾電池4本または単3形ニッケル水素充電池4本。

PART4

ダイキ「必要な工具をセット」

レスキューセット

地震などの災害時は電力がダウンしていることもあるので、倒れた棚や壁、さらには工作機械などの重量物を取り除くには、電力の不要な油圧ジャッキを必要とするケースが多い。しかも、重量物を持ち上げたり、こじ開けたりと様々な作業が必要だ。

「レスキューセット」は重量物の取除き作業で、柱や塀、鉄柵などを持上げたり、こじあけたり、広げたりするなどの作業に必要な油圧機器と工具一式をセットにしている。

一刻を争う災害現場で、様々な場所に対応できるよう、長さの異なるワンタッチパイプを差込むことで簡単に作業ができる。また、油圧ラム、ボールジョイントと、フラットベースを使用すると傾斜物を無理なく垂直に押上げる作業もできる。

アジャストパイプは、高さ位置の調整が簡単にできるようになっている。

これらのツール以外にも、レスキューセットは、19点で構成。緊急時に使える最適な仕様で、しかも誰でも簡単に使えるような構成にしている。また、大きな重量物にも対応できるように10t仕様とした。

PART5

DICプラスチック「高い収納性、携帯性」

折りたたみヘルメット「IZANO2」

「IZANO2」は、収納性、携帯性に優れた折り畳み型のヘルメット。プロユースにも耐える保護性能と業界最小クラスの収納サイズを両立した。

収納時の高さは63㎜とコンパクトに収まる。従来品に比べ、約23%低減させた。ハンモックの中央を拳で押して帽体を広げることで、約1秒で組み立て可能。収納時もロックを解除することで簡単に折り畳むことができる。頭囲も47~62㎝の範囲で調整できる。

また、厚生労働省が認める保護帽の規格「飛来・落下物用」「墜落時保護用」の2つの国家検定を取得。備蓄、携帯、災害時の避難や救助・救護、復旧作業だけでなく、建設現場や高所作業などのプロユースにも対応する。民間企業などにも採用され、シリーズ累計100万個以上を販売している。

内装部品は交換が可能。清潔さを維持することができる。また、豊富なカラーバリエーションを展開する。カスタマイズも可能で、既存色のパーツを組み替える「組み替えオーダー」と、コーポレートカラーなどに合わせる「フルオーダー」に対応する。

PART6

ハタヤリミテッド「USBポートを新たに追加」

USBポート付コードリール

災害時の避難場所など限られた電源を使用する際に、スマートフォンやタブレットの充電で電源を使用していると、照明器具など100V機器を使うことができないというユーザーの声に応え、スマートフォンなど複数充電した状態でも、合計1400Wまで照明器具といった100V製品を使うことができるコードリールを開発した。

同製品は100Vコンセント付コードリールに、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末を充電するUSBポート(4ポート)を装備し、合計1400Wまで使用可能。そのため、災害時など電源が限られた状態でも、照明器具など100V機器を使用しながら、スマートフォンやタブレットの充電も同時に行うことができるのが特長。

同製品は接地付タイプ(GS-30U4K型)と漏電遮断器付タイプ(GSB-30U4K型)を用意しているほか、S-30U4型は岐阜県瑞穂市のふるさと納税返礼品で、一般社団法人防災安全協会「防災製品等推薦品マーク」も取得。防災備蓄におすすめの製品だ。

PART7

北越工業「電気の安定供給を実現」

一般停電用予備発電機「SDG-E」シリーズ

エンジン発電機とATS(自動電源切替)盤がセットになった一般停電用予備発電機。商用電源から発電機電源に自動的に回路を切り換えて電気を供給し、停電発生時のバックアップ用電源として使用できる。自然災害や発電所のトラブルなどの停電リスクに備え、電気の安定供給を実現する。

ATS盤に負荷、商用電源、発電機、発電機との信号線などの接続を行うことで、簡単に設置が可能。発電機待機状態から商用電源の停電を検知すると予熱後発電機を始動させ、負荷電源を商用電源から発電機電源へ切り換える。商用電源が復電すると30秒後に負荷電源を発電機電源から商用電源に切り換える。

発電機本体は出力波形の歪が少ないブラシレス方式を採用し、優れた発電性能を発揮する。また、吸気ダクトなどの構造を見直し、運転音を静かに抑えた。さらに、長時間運転を実現した大容量燃料タンクを搭載したモデルや、三相4線/単相3線同時出力可能なモデルなどをラインアップ。使用負荷や設置場所などに合わせた機種を選ぶことができる。

記者の目

近年多発する自然災害や情報漏洩などによって、防災や情報管理に対するユーザーの意識はこれまで以上に高まっている。また、中小企業の中には顧客からの要請によって、BCP対策に取り組まなければ取引できなくなってしまうということも増えている。こうした背景から、BCPのニーズは年々増加している。

機械工具商社でもBCP対策の提案に注力する企業は多い。卸商社では、山善がコンサルティング企業と協業し、BCPサービスを提供している他、ユアサ商事ではレジリエンス&セキュリティ事業を注力事業の一つに掲げ、BCP対策商材やソリューションの提供に取り組んでいる。

販売店の中にもBCP対策に特化したカタログを作成し、顧客に配布している企業や、独自のBCP対策商品を開発し、提案を強化している企業が増えている。また、BCPに特化したセミナーを開く企業も少なくない。

今回の「Innovation!」で紹介した発電機やヘルメット、油圧ジャッキ、コードリールなどはBCP対策に取り組むユーザーに提案するには最適な商品だ。ただ一方で、こうした商品の販売には、ただスペックや特長を説明するだけでは不十分。ハードだけでなく、行動計画や運用方法などのソフト面の提案も欠かせない。

どんな設備・機器を備え、どのように運用していくのが最適か。BCP対策商品は現場をよく知る機械工具商社だからこそ販売できる商品の一つと言える。

日本産機新聞 2022年6月20日

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