2024年4月18日(木)

業界企業 年頭所感

PART01:Cominix  柳川 重昌社長「方向転換の時期」 
PART02:シミヅ産業  清水 善徳社長「油圧機器に全国対応」
PART03:テヅカ   三橋 誠社長「『副反応』」
PART04:Joyful喜一ホールディングス   田中 健一CEO「現場のお役に立つ」
PART05:DMG森精機  森 雅彦社長「生産・エネルギー効率を向上」
PART06:スイデン  川合 雄治社長「時代に求められる製品づくり」
PART07:マサダ製作所  鈴木 久之社長「マサダプライドで貢献」

PART01

Cominix  柳川 重昌社長「方向転換の時期」 

昨年11月に本社を上町から堺筋本町に移転しました。

コロナをきっかけにビジネスの環境も物事の考え方もかなり変わってきましたし、それに合わせて我々の行動も働き方も変えていこうと思ったからです。今までと違って広いスペースで机もフリーアドレスにしました。社内には一切サンプルや商品はなくなり、非常に仕事の効率が上がっているように思います。

我々Cominixは切削工具中心でコロナ前は生産性の向上やグローバリズムを標榜して経営を進めてきましたが、コロナ後はそれにサスティナビリティやDXという言葉が一気に欧米のほうから出てきました。商売のほうにあてはめますと“ガソリンエンジンはもうやめよう”“発電も化石燃料は使うな”“コンピューターをフルに使って仕事効率を上げよう”ということになります。もちろん切削工具が減る方向です。もともと私もこのままガソリンエンジン車をどんどん作り、人口を増やし続けながら石炭や石油をどんどん燃やして、発電や鉄を作っていて地球はどうなるのかなあと思っていました。ちょうど方向転換の時期ではないかと思います。

我々もいい機会なので今までのものはどんどん進めながら、違った方向も模索しつつある今日この頃です。

PART02

シミヅ産業  清水 善徳社長「油圧機器に全国対応」

コロナ禍において我々の業界も仕事のやり方が大きく変化しました。在宅勤務、テレワークの活用やデジタルトランスフォーメーションを進めた企業が多いですが、人とのコミュニケーションのとり方もデジタルの活用が求められました。我々も「Teams」や「Zoom」を活用した営業会議や勉強会を積極的に行いました。オンラインの活用によって、経費や時間の節約ができました。

そういったオンラインによるメリットはありますが、やはり複雑なものは対面でのコミュニケーションが必要になります。

スピードが必要なものや簡単なものはオンラインを使い、複雑で正確性を求められるものは、やはり対面での打ち合わせが必要になると思います。

対面営業を基本としつつ、様々なデジタルツールを活用してお客様とのコミュニケーションをはかって成果を出していくようにしたいと考えています。

それと並行して、昨年6月に、群馬県にこれまで以上にお客様の利便性を考えた、在庫センター併設の北関東支店を新築移転することができました。

また油圧機器に関しまして全国においてお客様からのお困り事に簡単に相談をお受けできるように組織を再編していきたいと考えております。

PART03

テヅカ   三橋 誠社長「『副反応』」

昨年はコロナに対応するため、殆どの皆さんがワクチン接種をされた事と思います。ワクチンによって安心を得られた一方で、若い方は接種後の悪寒、発熱、腕の痛みなどで会社を休まれたり、本調子でない体調で出社するなど経験のない事態に戸惑われた事でしょう。

昔から治療の為に通常の量の薬を服用し、有害、かつ意図されない反応が起こる事を副作用と呼んでいましたが、ワクチンの場合は免疫が出来る以外の体の様々なリアクションを、「副反応」と呼ぶ事は初めて知りました。

この二年間、我々もコロナ禍の新たな営業活動を模索し、三密を避けるべくウェブでの会議、講習会の開催、展示会参加など、ITを駆使した対応を心掛けてきました。確かに一方通行の講習会や報告事項のみの会議などは、場所も移動時間も考える必要が無く、交通費も掛からないこの解決法は一見素晴らしい事ばかりのようでした。ただ、ウェブの活動回数を重ねるにつれ、それで十分な結果が得られるものと、それでは対応しきれない問題が発生する事が分ってきました。

営業活動は、相手がどのように考えているかを想像しながら作戦を変える事が必要です。その為に相手の言葉の端々のニュアンス、顔の表情や全体の雰囲気、その場の空気感を感じて対応するわけですが、残念ながらウェブではその必要情報が入手しづらく、相手の考えを察知する事はとても出来ません。そうなるとどうしても画一的な売り込みとなり、結果を引き出すことが難しいと感じました。

コロナワクチンのようにウェブ営業をする事で安心し、会社として、営業マンとして、一番大事な感性を失っていく副反応が起こらない事を密かに祈っています。新たな変異株の出現でコロナがいつ収束するのか分らない2022年ですが、人間としての心を忘れる事なく過ごしたいものです。

PART04

Joyful喜一ホールディングス   田中 健一CEO「現場のお役に立つ」

コロナ禍も最悪期は脱した感はありますが、まだまだ、油断は許さない状況は続くと思われます。

このコロナ禍で加速したとされるテレワークですが、実際の日本のテレワーク率は2割程度で、米国の6割、中国の7割台に比べると、圧倒的に低い状況となっています。

要因として“日本人は変わることが苦手な民族 ”の一方で、“欧米や中国人は物理的な移動がない方が効率的という合理的な思考の人が多い”と言われています。

しかしながら、その“日本人は変わることが苦手な民族”の中には、“我慢強い、粘り強い、地道”と“変わらない中でも思慮深く思考している”の側面があり、それが“ものづくりの国”としての信頼を得ているのではないかとも考えられます。

弊社グループの基本方針の一つに“優秀なる人材の養成”がございます。

こうした混沌とした先の見通せない状況だからこそ、原点に立ち返り、社員一人一人が日々努力し、“便利な工具と間接副資材で、現場(ユーザー)のお役に立つ”のスローガンのもとに、お客さまのために邁進して参りたいと思います。

PART05

DMG森精機  森 雅彦社長「生産・エネルギー効率を向上」

受注状況は昨年から着実に回復してきており、今後も新たな需要とビンテージ機のリプレイス需要の両方の機会を逃さず、工程集約・自動化・デジタル化をご提案し生産効率とエネルギー効率の向上に貢献してまいります。

当社では、昨年3月にグローバルで生産する全商品の部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成しました。さらに国際的な環境団体SBTイニシアチブから「SBT認定」を取得しました。今後は事業所での太陽光パネルやバイオマス熱電供給システムの設置・
稼働を予定しております。

また当社が出荷する機械には全世界で昨年からカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREENMACHINE」マークが付いており、省電力を実現する「GREENmode」を標準搭載しています。

2023~30年でサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指しており、今後も自社とお客様先の両方でCO2排出量の削減に取り組んでまいります。

自動化を進める上で課題となるのがクーラント、ミスト、切りくずの加工3悪です。ビルトインミストコレクタzeroFOGはゼロスラッジクーラントタンクとAIチップリムーバルと共に加工3悪の解決案として、作業改善と長時間稼働を実現します。自動化を進めることでコネクティビティとデジタル化が可能となり、サステナビリティの推進にも貢献します。

また、リアルとデジタルの両方でお客様と緊密に繋がり、リアルでは毎週伊賀・東京で少人数制オープンハウス「テクノロジーフライデー」を開催しています。今年は世界各国からご招待し、より多くのお客様と連携してまいります。デジタルツインテストカットやお客様向けポータルサイトmy DMG MORIなどを通じたデジタルでの繋がりも引き続き注力していきます。

今年は当社の創業地である奈良にDMG MORIグループ最大の最先端研究開発センタである奈良商品開発センタの新設を予定しております。

本年も、優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、尽力してまいります。

PART06

スイデン  川合 雄治社長「時代に求められる製品づくり」

当社はお客様を思い、「快適をかたちにする。」を企業理念として歩み続けて74年、地球規模で推進されているSDGsに対し、当社が企業として取り組むことができる持続可能な開発目標、地球環境にやさしい商品づくりに社員一人ひとりが目標を定め、相乗的に社会に貢献できる会社を目指し事業を展開して参ります。

昨年はマーケットインによる新たな分野への挑戦として、空気中のウイルス・臭気などを分解して綺麗な空気に変える除菌脱臭機「Air Create(エアクリエイト)」を投入しました。既存製品の更なる発展と共に、今後もお客様に選んで頂ける製品づくりに邁進致します。

さて、本年の干支は壬寅(みずのえとら)です。冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれることを表します。現在も新型コロナウイルスは予断を許さない状態であり、原油価格の高騰や原材料の不足・価格上昇など、ものづくりをする上で引き続き厳しく先の読めない状態は変わりませんが、厳しい冬を越え、皆で大きく共栄出来ると信じています。

最後に、今年もかたちにトラわれず頑張りタイガー…!

スイデンも頑張っトラと言われるように邁進していく所存です。

PART07

マサダ製作所  鈴木 久之社長「マサダプライドで貢献」

上期から鋼材は値上がりを継続し、下期にはさらに大幅な値上げがありました。また、カーメーカーでは、半導体等の部品供給が滞り、夏以降、生産調整が継続しました。弊社も戻りつつあった売上が急転して、降下しました。この減産は建設機械にも押し寄せてきました。売上の降下と鋼材を含む部材の値上げの二重苦となる年末となりました。さらに回復しつつある輸出についても海上運賃の値上げと船便の減少により、出荷が停滞する状況が続きました。

今年こそ、穏やかでも順調な経済回復と共に新型コロナ感染症からの不安が取り除かれることを心より祈っています。

弊社もこの苦境を乗り越え、新たな一歩を踏み出せる年にしたいと思います。どのような環境下でも収益を上げることができる強い体質にすることを課題と考えてきましたが、今年も更なる体質強化に努め、お客様に信頼される製品を作り、売上を挽回して行きたいと思います。

お客様第一主義に徹し、全社の情報共有を基として、協力体制強化を図って行きます。今年も社員一人一人が会社と共に成長し、マサダプライドを持ち、誠意ある行動で社会に貢献できる企業でありたいと願います。

日本産機新聞 2022年1月20日

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