2024年10月12日(土)

業界団体 年頭所感

PART1:日本鍛圧機械工業会  北野 司会長「変化・変容で立ち向かう」
PART2:日本ロボット工業会  小笠原 浩会長「ロボットの利用分野拡大へ」
PART3:日本光学測定機工業会  浜田 智秀会長「高速・非接触で高品質へ」
PART4:研削砥石工業会  山内 憲司会長「新時代に果敢に挑む」
PART5:日本バルブ工業会  堀田 康之会長「持続可能な社会実現へ」
PART6:大阪管工機材商業協同組合  岡崎 信一理事長「やるべき事、淡然と実行」
PART7:日本自動車部品工業会  尾堂 真一会長「複雑さ増すクルマ社会へ挑戦」

PART1

日本鍛圧機械工業会  北野 司会長「変化・変容で立ち向かう」

当工業会の昨年末の調査統計委員会では、2021年暦年受注は当初予想を大きく上回る3250億円としました。

22年も緩やかに上向くと考えられており、同委員会では22年暦年では3400億円で4.6%増、年度では3450億円で3.0%増になるものと予想しています。

今後の受注並びに生産動向は不透明で見通せませんが、一日も早い復旧を望んでおります。

MF‐TOKYOは展示会場での開催は断念し、代わりに昨年11月29日から12月3日にMF‐TOKYO 2021 Onlineを開催しました。出展者数は少なかったものの、目標を上回る1万4594名ものご来場を頂きました。次回のMF‐TOKYOは23年7月12日(水)から15日(土)の4日間に亘り東京ビッグサイトでの開催が決定しています。

前回のMF技術大賞は3件の応募となりました。受賞製品の選考では、技術・環境・経済の三つの側面で評価しますが、この2年でDX(デジタルトランスフォーメーション)やCN(カーボンニュートラル)などの概念や指標が掲げられました。今後はCNの観点で優位性のある技術・製品を積極的にアピール頂きたいと考えております。これまで応募されなかった製品や技術をCNの観点で探り、応募頂きたく思っており、MF技術大賞の持つ意義が変容する時なのかもしれません。

本年からは平常に戻れることを期待しつつも、感染症対策に十分に留意され、安心かつ安全に活動されることを心からお願い申し上げます。

PART2

日本ロボット工業会  小笠原 浩会長「ロボットの利用分野拡大へ」

2021年の我が国ロボット産業は、受注額で対前年比27.7%増の約1兆970億円と初めての1兆円超えとなるとともに、生産額では26.5%増の約9700億円となると見込まれます。

そして、本年のロボット市場は、高い自動化需要に支えられ受注額は対前年比3%増の1兆1300億円、そして生産額は5.2%増の1兆200億円と生産額においても初の1兆円超えを期待しております。

このような中、本年10月1日をもって創立50周年を迎えます。「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」を統一テーマに、次の半世紀に向け広く社会において実現が期待されるロボットの有り様について展望・発信するための各種記念事業をこの1年間で実施致します。

具体的には①記念ロゴの制作、②主催展示会でのパネル展示(ロボット技術及び産業の変遷、工業会の歴史等)、③10月13日の記念式典・表彰式と祝賀会、④10月13日~14日での記念シンポジウム、⑤ロボット産業ビジョン2050の策定、⑥50年史の編纂の各事業を実施致します。

記念事業に加え、活動の柱となっている「市場拡大に向けた取組」、「イノベーションの加速化」、そして「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」の三つを重点項目として業界活性化のさらなる推進に向け、活動を行うこととしています。

特に本年は、3月9日~12日にかけ「2022国際ロボット展」を、6月15日~17日には、昨年、一昨年と2年続けて中止となっていた「2022実装プロセステクノロジー展」を、そして10月19日~21日には「Japan Robot  Week 2022」と3つの展示会を開催致します。

技術情報の発信とともに様々な分野へのロボット利用拡大への意欲を喚起するとともに、市場調査、技術振興等の各事業についても意欲的に展開する所存です。

PART3

日本光学測定機工業会  浜田 智秀会長「高速・非接触で高品質へ」

当工業会では見えないものを見えるようにするだけでなく、定性的なものを定量化できるよう活動を続けています。光学測定機が得意とする可視光領域に加え、不可視光を使用することによってこれまで検出困難であったものを数値化し、更に高速かつ大量な計測データを瞬時に取得することを可能としており、これまで見逃していた現象・事象の把握だけでなく評価方法の確立をも推し進めてきています。加えて、検査・測定・計測の自動化、省力化をなお一層進化させ、スピーディに工程改善へのフィードバックなどを可能とし更なる高品質をも具現化します。

人間の恣意やバラツキ、不確かさの入る余地がない品質保証、信頼性、ひいては安全、安心を実現する世界へ向けて今後も新たな提案を継続することで、SDGs/ESGに貢献し、皆様の企業価値向上に繋げるためのお役に立てると確信しています。

劇的に変わりゆくこのような時代にめぐりあえたことを幸せだと感じ、産業の発展へ寄与できる機会に恵まれたことをこの上ない喜びと考えております。これまで以上に関係各位の皆様との連携を深め、皆様方の課題解決を図るだけでなくイノベーションのお手伝いができるよう取り組みます。

光学に基づく切り口を武器に非破壊・非接触型測定機を主としたリアルタイムな光学測定技術を深化させ、あらゆる課題を見える化・顕在化させることによって素晴らしいモノづくり、コトづくりを実現してゆきます。

PART4

研削砥石工業会  山内 憲司会長「新時代に果敢に挑む」

昨年を振り返りますと、危機的状況からは脱しており、回復傾向に向かってはいるものの、依然として停滞しております。

コロナ禍により政治、経済、環境等のあらゆる分野で大きな変化が生まれてます。「withコロナ」、「Afterコロナ」の新たな社会に向け、あらゆる手段を講じて迅速に立ち向かわなくてはならないと考えます。

研削砥石工業会の生産・出荷額は、21年は20年に比較して回復傾向にありますが、19年のペースには追いついておらず依然として厳しい状況となっています。

このような中で、いかなる状況であっても切磋琢磨し合い、需要業界のニーズを適時適切に捉え、信頼される製品を速やかに供給し、品質の更なる向上に不断の努力を傾注してまいる所存です。

新たな変革の時代において、働き方改革やデジタル化等の時代変化に柔軟に対応しつつ、①研削砥石の特性を発揮できる製品開発、②高い生産技術力を駆使した製造、③徹底した品質管理等、市場変化とユーザーの要求に適格に応えるべく一層の努力を続け、日本の「ものづくり」を支える重要な産業として、新時代に果敢に挑んでまいる覚悟です。

PART5

日本バルブ工業会  堀田 康之会長「持続可能な社会実現へ」

昨年、当工業会は、創立70周年を迎える2023年度を最終年度とする中期活動計画V70「All for Society~社会を支えるバルブ産業の更なる進化のために~」を策定致しました。

22年は、V70に掲げた4つの柱である「次世代へつなげる新しい働き方への転換」「未来の社会に貢献できる先進的な技術と商品づくり」「社会全体の脅威・リスクに対応できるサプライチェーンとサステナビリティの強化」「バルブ産業の認知度向上」の実現により、社会を支えるバルブ産業の更なる進化を目指してまいります。

具体的には、働き方改革や人財育成、高齢者の就労促進そして女性の就労環境の改善に取り組みます。また、AI、IoTなどの先進技術を取り込みDXを積極的に進めることにより、新しい働き方への転換を促してまいります。環境負荷低減に貢献するサプライチェーンを含めた製品づくりを進めるとともに、カーボンニュートラルに向けて、未来の社会に貢献できる先進的な技術と環境に配慮した商品の開発に取り組むことより、バルブ産業の認知度と魅力を高めてまいります。

V70達成に向けたアクションを通じ、日本バルブ工業会を挙げて持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

PART6

大阪管工機材商業協同組合  岡崎 信一理事長「やるべき事、淡然と実行」

一昨年来の新型コロナウィルス感染症の流行により、組合活動は如何にあるべきか、模索を続ける事となりました。

その様な中、ワクチンを8月末から組合実施の職域接種という形で、組合員や関係団体の方々1000人余りに無償で早期に無事接種して頂けたのは欣快の至りです。

社会医療法人きつこう会様・カクダイ様、プロジェクトチームに参加下さった方々、組合職員の皆さんにご協力頂き、一社では出来ない取り組みに協働してあたるという、組合の使命を果たすことができました。

さらに、「第20回管工機材・設備総合展OSAKA2021」については、木澤利光実行委員長の指揮のもと、9月開催を12月2日~4日に延期して、大盛況裡に開催させて頂きました。ご出展頂いた方々には、重ねてお礼申し上げます。

また、大阪労働協会様のご協力のもと、人材採用の環境変化と手法についての経営者セミナーを、対面とウェブのハイブリッドで実施したのを皮切りに、パソコン講習会・商品知識研修会の人材育成事業や、秋季ゴルフコンペ・ボウリング大会の福利厚生事業を感染対策に工夫を凝らして実施しました。

本年も様々な課題に取り組み、変化を前向きに捉え、組合員一同協力団結し、やるべき事・出来る事を淡然と実行し業界発展に尽力する所存です。

PART7

日本自動車部品工業会  尾堂 真一会長「複雑さ増すクルマ社会へ挑戦」

昨年は各国が環境問題への姿勢や方針を示す大きな動きがあった年でもありました。日本でも社会全体がカーボンニュートラル(CN)実現に向けて一挙に動き出しました。自動車産業においても、電動化への取組みや、製造過程での脱炭素化対応が求められ始めており、産業の行方を左右する大きな岐路に立たされております。

JAPIAでは、CNを実現するために必要な技術開発、国際連携や経営など企業活動全体での取り組みを進めるため、主要4委員会の下に横断的な組織である「CN対応部会」を立ち上げ、各委員会や他団体と連携したセミナー開催などのCN関連情報の提供や、会員企業の実態・ニーズ把握のためのアンケート調査実施など、業界全体でのCN実現に向け、精力的に取り組んでおります。自動車5団体でも連携しており、自動車産業に携わる550万人が一丸となってCNを実現できるよう、今年も引き続き努めて参ります。

このたび、約10年ぶりにBCPガイドラインの改定を行いました。「震災」に加え「風水害」と「感染症」を対象リスクに加えるとともに、企業の事例を多数掲載し、実用的かつ導入し易い内容となっています。22年3月頃に会員企業の皆様への展開を予定しています。

今年も注視していかなければならない案件は多岐に渡ります。また、MaaS(サービスとしてのモビリティ)・CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やCNなど自動車産業を取り巻く環境は待ったなしに変化し、複雑性は増す一方です。日本を支える基幹産業の一翼として、日本の雇用を支え、自動車産業がますます発展していくよう、会員企業の皆さまと共に歩みを進め、挑戦して参ります。

日本産機新聞 2022年1月20日

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