2025年12月1日(月)

三叉路…

〇…100万回打てても10万回しか打てない金型でも、構造は大きく変わらない。このため、成形数が半分だからといって金型費は半分にするのは難しい。最近取材した金型メーカーは、こうした常識を覆し、材質や構造などを見直すことで、成形数に合わせた廉価版の金型の開発に成功した。

〇…この企業が志向したのは、高精度など価値を高める方向とは真逆で、機能をそぎ落とす考え方。きっかけは「顧客ニーズたったから」とシンプルだが、社長曰く「長寿命や超微細だけがニーズではない。目線を変えればできることは多い」。

〇…かつて、5軸加工を駆使する部品加工メーカーに機械工具商に求めるものを尋ねたことがある。答えは「煩雑にならない工具管理の方法や5Sの手法」。曰く「開発や生産の強化は本業なので、自ら努力もする。むしろ、意外に目が向かない作業の手間を減らす方法を教えて欲しい」。

〇…前述の金型メーカーが指摘するようにユーザーのニーズは一つではない。しかも「価値を高める」ことだけでなく「手間や無駄を減らす」ことにも価値はある。こうした目線でユーザー現場を見ると、提案できる幅や余地が大きくなる。

日本産機新聞 2022年1月20日

[ コラム ][ 三叉路 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

2025国際ロボット展 過去最多の出展者で産業ロボのやAIの新技術が一堂 

15万人以上の来場者見込む 世界最大規模のロボットの専門展示会「2025国際ロボット展」(主催日本ロボット工業会・日刊工業新聞社)が12月3日に東京ビッグサイトで開幕する。出展者数は673社・団体と過去最多の規模で、来場 […]

注目9社の出展製品【2025国際ロボット展】

国内外からロボット関連企業・団体が一堂に会する国際ロボット展では製造業や建設業を支える最先端のスマートプロダクションロボット(産業用ロボット)をはじめ、ロボットにAMRや多様な装置を組み合わせたロボットシステムによる現場 […]

帝国チャック 寺坂  創介社長インタビュー「創業100年の想い」

NC旋盤用チャック、研削盤のダイヤフラムチャック、マシニングセンタのシリンダ内蔵チャックなど最高の機能と品質を持ち併せた特殊仕様『デザインチャック』を手掛ける帝国チャック(大阪府八尾市)は創業100周年を迎えた。自動車を […]

トピックス

関連サイト