2024年4月24日(水)

【Innovation!】工具管理システム

在庫最適、誤発注削減

非稼働時間を効率化したいというニーズが高まる中、最近注目を集めているのが「工具管理システム」だ。最適な在庫管理につなげたり、発注ミスをなくしたり、工具の使用量から異常を検知したり、稼働率向上につなげるシステムへと変化してきている。

PART1:イスカルジャパン「スマートキャビネット」
PART2:WinTool「4つの機能で工具情報管理」
PART3:グーリングジャパン「時間短縮+コスト削減+透明性アップ」
PART4:Zoller Japan「工具データや在庫状況を管理」
PART5:タンガロイ「工具管理・コスト低減システム」
PART6:大昭和精機「工具の在庫・寿命を管理」

PART1

イスカルジャパン「スマートキャビネット」

「MATRIX」

「MATRIX」は、多種多様な工具の収納・管理を可能とし、工具管理コスト削減と管理アイテムに関するデータの有効活用を実現するスマートキャビネット。工具メーカー独自開発のソフトとハードで、商社、エンドユーザー問わずそれぞれの顧客ニーズに合わせた様々な活用ができる。

「どんなに優れた製品も活用されなければ宝のもち腐れ」との考えから、ミスマッチをなくすため、導入からアフターフォローまで一貫したメーカーサービスを行うのがイスカル流だ。

まずは設置環境や顧客の管理手法から、最適なキャビネットタイプを導き出す。次に「発注作業の無駄をなくしたい」、「工具の取り間違いをなくしたい」、「在庫管理の手間を軽減したい」などの要望を聞き取り、MATRIXでどう改善できるかを検討し、提案を行う。最上位モデル「MAXI」の引き出しは最大9段(オートロック付き)。一段あたり最大198種のアイテムを収納可能。

「スマートファクトリーの第一歩はMATRIXから」を合言葉に、経営面、現場作業面双方でスマートな工具管理を提案する。

PART2

WinTool「4つの機能で工具情報管理」

「WinTool」

「WinTool」は、切削工具やツーリングの情報の管理をベースに、機械加工業務プロセス全体を最適化するスイス発のソフトウェアだ。工具情報を統合するライブラリを軸に、必要な機能を選ぶことができる。

主な機能は、工具ライブラリ構築、NCフォルダ管理、工具在庫管理、機械加工準備業務管理の4つ。工具ライブラリ構築では、切削工具とツールホルダの組合せを体系化して管理したり、工具リスト自動生成したりすることで、切削工具やツーリング等のデータを集中管理し、部門を跨る情報共有を促す。NCフォルダ管理では、加工単位別にファイル・データを一元管理。自社加工ノウハウの蓄積が容易になる。工具在庫管理では、発注点基準で自動的に購買要求データ生成し、設備別品目数量等容易に把握できるようになるほか、機械加工準備業務管理を用いることで、最適な工具の取付けをサポートする。

連携機能も備え、CAMやツールプリセッタ、製造管理ソフトなどと連携させることで工具管理の基幹システムとして運用することができる。

PART3

グーリングジャパン「時間短縮+コスト削減+透明性アップ」

「TMシリーズ」

長年の工具開発のノウハウを盛り込んだソフトを搭載した工具管理システム。自社製以外の工具や測定機器の管理ができるほか、用途に合わせキャビネットを選択できるなど高い汎用性を持たせた。

特長の一つが、管理対象を工具に限定しないこと。引き出しの高さは60㎜から185㎜まで選択ができ、その範囲に収納できるサイズであれば、様々なツールの管理が可能。他社製の工具やホルダ、測定機器類の管理ができる。

管理者のニーズや状況に合わせキャビネット選択ができるのも特長。一般的な引き出しタイプ、出庫数を完全制御できる引き出しタイプ、ロードセルを搭載し、入出庫情報を自動記録できるタイプでは、組付け用の小物部品や液体の管理などもできる。

自社開発したソフトの機能では、数量変化を5W1Hで全記録できるほか、在庫分析や納入製品の分析、独自の分析ができる。また、最低在庫以下の工具を表示したり、消費予測から最適数量の発注データを作成できたり様々な指示が出せる。これらを活用することで、工具の所在不明、多重発注、余剰在庫を防止でき、作業時間短縮、コストダウン、透明性アップにつながる。

PART4

Zoller Japan「工具データや在庫状況を管理」

「Zoller TMS」

「Zoller TMS」は、多数の機能でユーザーをサポートする工具管理システムだ。工具の性能などのデータ管理ができるベーシックな「BRONZE(ブロンズ)」、さらに倉庫まで含めた工具の在庫などを管理できる「SILVER(シルバー)」、「BRONZE」と「SILVER」を元に工具寿命などを割出して受発注を効率化できる「GOLD(ゴールド)」の3種類のパッケージを用意している。

BRONZEでは、独立したプラットフォームから工具、部品、セットアップシート、備品、工作機械データなどに関するデータの入力・出力が可能。ウェブカメラによる画像ライブラリにより工具検索を効率的に行える。

SILVERでは、BRONZEの機能に加えて倉庫全体の管理ができる。構成部品、備品をすべて簡単且つリアルタイムに管理が可能。倉庫管理モジュールでは倉庫全体が3次元で表示され、保管庫が立体で再現される。

GOLDではさらに、調達すべき工具を自動でピックアップ。最低在庫量に基づいて注文も自動化できる。

PART5

タンガロイ「工具管理・コスト低減システム」

「MATRIX」

「MATRIX」は、ハードとソフトの両面から問題解決をサポートする工具管理・コスト低減システム。ハード面では、工具の入出庫を管理し、取出し時間の短縮や取り間違い、工具の紛失を防ぐ。ソフト面では、ワークやライン、設備別に工具の使用履歴をデータ化し分析することで、工具の消費量が異常値となった箇所を瞬時に把握できるなどの機能を持つ。また、過去の使用量から適切な在庫数を自動計算し、それを下回るとアラームを配信する機能もあり、発注忘れや過剰在庫の防止につながる。

さらに、費用対効果のシミュレーションや3D操作体験ができる専用ウェブサイトを設けたほか、導入後のサポートを行う専門チームを設置するなど、導入前後のサポート体制を充実させた。

同社では「ADDFORCE」をテーマとした生産性の高い工具だけでなく、機械メーカーと協業し、加工全体でコスト削減を提案している。工具管理もその一環で「MATRIXをコスト改善の一歩目」と位置づけ、加工から工具管理まで幅広くコスト削減をサポートしている。

PART6

大昭和精機「工具の在庫・寿命を管理」

「ジェネシス」

無駄のない工具管理を実現し、段取り時間短縮・ポカヨケに威力を発揮。

工具の在庫数量・所在、出庫担当者を含め、入出庫を記録。棚のLEDとガイド機能により、該当する工具位置が一目でわかるので、工具の払い出しや補充のミスを防止。不足工具やデッドストックの検索ができ、不要な工具発注も防ぐ。

別売のワイヤレス2次元コードリーダを使ってホルダIDを読み込むことで、正確な入出庫管理ができ、Factory Managerとの連動で、ホルダに取り付けた工具の出庫ができる。

工作機械と接続し工具毎の寿命値を管理することで、寿命工具による加工不良も防止できる。セキュリティ機能も備え、入出庫時に棚のロックを解除。ロック解除中はカメラで映像を記録する。

本体サイズは、W800×D600×H1578㎜。引き出し数は、8段。別売の13段エクステンションを本体に連結して収納スペースを拡張することもできる。

パソコン部分を既存の汎用棚に設置して、ゲージや治具などの管理にも使用できる。

日本産機新聞 2021年9月5日

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